“タイガー”はいないけど…蝉川泰果は初メジャーにワクワクが止まらない

メジャーに初挑戦する蝉川泰果(撮影/塚田達也)

◇メジャー最終戦◇全英オープン 事前(17日)◇ロイヤルリバプール(イングランド)◇7383yd(パー71)

日本ツアーで史上初めてアマチュアとして2勝を挙げた蝉川泰果がメジャーデビューする。昨年10月の「日本オープン」優勝で手にした本大会の出場切符。初めて臨むリンクスコースでの戦いにも「どんな結果であっても、一皮むけるんじゃないかと考えています」と気持ちは期待でいっぱいだ。

アプローチも多彩に(撮影/塚田達也)

9年前、ロイヤルリバプールでの前回大会はテレビで見ていた。当時まだ中学生。ロリー・マキロイ(北アイルランド)が優勝したシーンの記憶がいまも頭には残っている。「僕が小学生の時からすごい活躍をしていた」というスターは、前週の「ジェネシス スコットランドオープン」を制し、最高の状態にある。名前の由来になったタイガー・ウッズこそ、右足のケガでフィールドにいないが、22歳は「マキロイのスイングも見てみたい。立っている雰囲気だけでも」と胸を躍らせた。

高揚する気分とは裏腹に、メジャーセッティングの手強さを知るまでに時間はかからなかった。開幕3日前の17日(月)に初めて18ホールをチェック。ことしは年明けから海外ツアーにスポット参戦し、カリフォルニア州でのPGAツアー「ファーマーズインシュランスオープン」では太平洋岸の強風に面食らったが、本場のリンクスの脅威はそれ以上。「より難しい。ダントツに。アイアンの飛距離も1番手くらい落ちた」と驚かされた。

進藤キャディとは4月中日クラウンズ以来のタッグ(撮影/塚田達也)

新設された17番(パー3)ではティショットを曲げてロストボールにするなど、コースにはワナがいっぱい。日中にもかかわらず、気温が10℃近くに冷え込む時間帯もあり、対応には“慣れ”が必要とも感じている。

14年大会は松山英樹のバッグを担いでいた進藤大典キャディの存在が今は心強い。「今週(英国に)来て、気持ちがすごく高まりました。不安ももちろんあるけれど、スイッチは入ったかな、と」。初めてのメジャーにも臆さない。異国の地で、ただ、経験を持ち帰るつもりでいるわけじゃない。(イングランド・ホイレイク/桂川洋一)

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