米ぬか入れて置くだけ 手軽にジャンボタニシ「キャッチ」(動画あり)

水田に設置したわなに捕まったジャンボタニシ。二つの部品を閉じ合わせて設置する(大分県宇佐市で)

水田に設置したわなに捕まったジャンボタニシ。二つの部品を閉じ合わせて設置する(大分県宇佐市で)

わな開発 大分・宇佐市のワールド興産

大分県宇佐市のワールド興産は、水稲を食害するスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)対策で、手軽に設置できるわな「ヘイヘイ!たにしキャッチ」を開発・発売した。箱型の容器に餌の米ぬかを入れて水田に置くだけで設置が容易。わなを自作する労力が省け、農薬に頼らず防除できる。ポリプロピレン製で繰り返し使える。

わなは、水田の中でも被害が出やすい場所に設置する。ジャンボタニシは米ぬかにおびき寄せられ、中に入ると、返しで出られない構造となっている。設置の目安は10アール当たり10個前後で、設置時間は同10~20分。設置時の高さは10センチ、幅16センチ、長さ25センチ。使わないときには重ねてコンパクトに収納でき、持ち運びもしやすい。わな4個で約100匹を捕獲したこともある。

同社は不動産業を営み、グループ企業の生産資材店で、ジャンボタニシ対策の相談が多いことから開発に着手した。ジャンボタニシのわなでの製品化は珍しい。2023年1月には県が承認する経営革新計画に選ばれた。

実証試験に水田を提供した同市の稲作農家・幡手一義さん(67)は「被害が出ると補植が必要になる。植えてまた食べられることもある」と話す。補植の手間やコストだけでなく、心理的な負担にもつながるだけに、「わなで数を減らしたい」と期待する。

価格は1個3300円。問い合わせは同社、(電)0978(25)9663。

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