命の大切さを学ぶための講演会が千葉県大網白里市の高校で開かれ、最愛の娘を交通事故で亡くした母親が、生徒らに痛切な思いを訴えかけました。
講演会は7月18日、県立大網高校で開かれ、木更津市在住の安藤正恵さんが、講師を務めました。
安藤さんは2019年、当時小学3年生だった最愛の娘、音織さんを交通事故で亡くしました。
音織さんは事故当日の朝、自宅から徒歩5分ほどの県道交差点で信号無視の軽乗用車にはねられました。
母親の正恵さんは講演で、「ショックで声も涙も出ず、何をしても生き返らないことに無力感があった。悪い夢であってほしいと願った」と当時の苦しい思いを明かしました。
音織さんのランドセルは傷だらけで、荷物を見ただけで事故の大きさがわかったといいます。
いまも、心理カウンセリングに通い続けているという母親の正恵さん、真剣に話を聞く生徒らに対し、「毎日仏壇に手を合わせ、音織を思い出さない日はない。娘と同世代の皆さんには、運転免許を取ったら、たくさんの命を預かることを忘れないでほしい」と痛切に訴えました。
生徒は―
「車の免許をとったら運転で遠くまで行けるだけではなく、責任を持って運転しなくてはならないと感じた」
「自分が被害者になったら周りの人が悲しむから、被害者にならないようにしたい。周りも被害者になってほしくない」
講師を務めた 安藤正恵 さん
「たくさんの夢や希望がある周りの友達とかに何か起きてしまい、命を落としてしまったらそこで終わってしまう。残された周りの人もショックから立ち直れなくなってしまうこともあるので、ほかの人の命を奪うことのないように進んでいってほしい」