国交省がビッグモーターを聴取へ 処分視野、社長報酬返上

中古車販売大手ビッグモーターの看板

 国土交通省が、自動車保険の保険金不正請求が横行した中古車販売大手ビッグモーター(東京)に対し、道路運送車両法違反の疑いがあるとして事実関係の聴取を要請したことが18日、分かった。国交省によると、同社は応じる意向。同社の外部弁護士がまとめた調査報告書は、車両を故意に傷つけて修理代を水増しする不正行為が全国の工場であったと認定しており、国交省は行政処分を視野に調べる。

 同社は18日、兼重宏行社長が報酬全額を1年間返上することを柱とする社内処分を公式ホームページで発表した。社会的信用が失墜しており、問題を収束できるかどうかは不透明だ。

 国交省は各工場の不正行為を個別に確認。違反が認められれば、所管の地方運輸局が工場ごとに民間車検場の指定取り消しなどの処分を行う。斉藤鉄夫国交相は18日の閣議後記者会見で「(不正が事実であれば)言語道断だ」と強調した。

 報告書によると、工場は2022年9月期に30カ所。経営陣が修理に伴う収益で不合理なノルマを課し、圧力に耐えかねた工場長らが不正に手を染めた。

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