「桜丘第四」と「桜丘第五」バス停の間にあるもの

一見なんてことないバス停とそのまわりも、視点を変えれば観光資源。そんな思いで福岡市のバス停を取り上げ、ご紹介する本企画。連載53回目は、福岡県糟屋郡にある「桜丘第五(さくらがおかだいご)」バス停をご紹介します。

バス停の連番を追いかける

今回ご紹介するバス停、まずこちらは桜丘第一(さくらがおかだいいち)です。

バス停がある坂道の両側に住宅地があって、

都心向けバス停が行灯型なのに対して、郊外方向は鉄板です。

続いて、桜丘第二

桜丘第三

隣接するバス停の表示を見ても、第二、第三、第四と順番に並びます

そして桜丘第四。

バス停の名前は以前「桜ヶ丘」でした。2011年春の改正で、地名に合わせられています。

「第四」の次は…?

第四にはバスの車庫があって、

バス停の先で斜面が険しくなります。しかし階段があるとおり、住宅地はさらに上へ続き、

高台に向かって左側を迂回する形で、道路が繋がっています。

しかし、ここのバス停は桜丘第五ではなく「集会所前」で、

その奥に桜丘第五があるので、ここは言わば四・五といった場所です。

西鉄のバス停は、都心方向にしかありませんが、

反対側には、志免町の福祉巡回バスのバス停があり、西鉄バスもこの付近で降車扱いをします。

バス停名称の元となった集会所は、

バス停より少し上った場所です。

連番の最終地点「第五」を目指して

そのまま道なりに進むと、住宅が増えて、

進入禁止の注意書きの先に、

行き止まりのバス停が。

ここが、桜丘第五です。

街に出てゆく需要に特化した時刻表は、最終バスがとても早いですね。と、特に集会所前バス停付近も、桜丘第五バス停付近も住宅街であることに変わりはないのに、

ここが桜丘第五で、

ここが“桜丘第六”では駄目だったか、という疑問が湧きます。湧きませんか。

私はこういう、規則的に並んでいる中で外れ者になっているのが好きです。バス停に限らず。

集会所前のバス時刻表に注目すると、片側にしかバス停が立っていないので、両方向が同じ紙に掲載されていて分かりづらいのですが、

あと、写真に坊主頭の妖怪が写り込んでいて気になる、という声もいただきそうですが、

桜丘第五ゆきは夕方しかないので、バスに乗ってきても、バスでは折り返せません。ぜひ一度訪れてみてください、と言いづらい環境です。

しかし桜丘第五から、先ほど見た階段を下れば、そこは第四です。ここからのバスは多いので、ご安心ください。

昔の路線図を見比べてみる

昭和57年3月の路線図では、桜ヶ丘第四までしかありません。

翌58年3月路線図では、集会所前と第五が追加されただけでなく、営業所の電話番号も市外局番が092になっています。こういう変化も面白いですね。

昭和61年の路線図は、仕様が変わって模式図ではなく地図上に描かれるようになりました。路線は志免町の桜ヶ丘からサミットを越えて、宇美町のひばりヶ丘団地まで延び、

平成になると宇美営業所まで路線が繋がり、今も維持されています。

路線図は公式ページから無料でダウンロードできますので、毎年保存しておくと推移が確認できますし、のちのち貴重な史料になると思うのです。

>西鉄バス 路線図(https://www.nishitetsu.jp/bus/rosen/rosenmap/)

基本情報

バス停名:桜丘第五(さくらがおかだいご)

・住所:〒811-2201 福岡県糟屋郡志免町桜丘5丁目6[map]

・博多からの行き方一例:

「博多バスターミナル1F (14のりば)」から快速39番 福岡空港前月隈団地経由 桜丘第五ゆき に乗車。約41分、460円。

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