政府側 任命拒否6人問題を避けたい姿勢鮮明

 松野博一官房長官は18日の記者会見で日本学術会議が3年前に学術委員に推薦したが、時の総理が任命拒否した6人について「手続きは終了しているものと考えている」と問題の蒸し返しを避けたい姿勢を鮮明にした。日本学術会議は任命拒否された6人の任命を改めて政府に求めて行く方針だ。

 日本学術会議の総会が16日にあり、次期会員候補者105人が承認されたが、さきの6人は入っていない。松野官房長官は「次期会員候補105人の候補者の内容については承知していないが、今後、日本学術会議から推薦があれば法令手続きに沿って適切に対応していく」とした。

 松野官房長官は「日本学術会議が自ら改革の取組みをしていることは承知しているが、日本学術会議の在り方については、これまでの経緯を踏まえ、後藤茂之内閣特命担当大臣の下、できるだけ速やかに有識者懇談会を立ち上げ、丁寧に議論し、早期に結論を得ることと承知している」と答えるにとどまった。

 後藤大臣は6月の記者会見時に「学術会議の在り方については今の政府案や主要先進国(G7参加国)並みの制度・体制等を持った民間法人とする案を俎上に載せて、丁寧に議論し、早期に結論を得ることとした。率直な意見交換を行うため、懇談会は非公開とするが、議事録をしっかり作成し、会議後、速やかにホームページ等において公開することを考えている」と話していた。

 任命拒否されている6人の学者は憲法学の小沢隆一氏、行政法学の岡田正則氏、刑事法学の松宮孝明氏、歴史学の加藤陽子氏、キリスト教学の芦名定道氏、政治学の宇野重規氏で、いずれも安保法制や共謀罪、沖縄の新基地建設などに反対を表明していた学者。自民政府にとっては耳の痛い学者のよう。(編集担当:森高龍二)

松野博一官房長官は18日の記者会見で日本学術会議が3年前に学術委員に推薦したが、時の総理が任命拒否した6人について「手続きは終了しているものと考えている」と問題の蒸し返しを避けたい姿勢を鮮明にした
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