「手続きから取り残されている人の救済を」黒い雨 二次提訴の第1回口頭弁論 広島地裁

原爆投下後に降った「黒い雨」をめぐり、国の新しい基準でも被爆者手帳の申請を却下された人たちが、処分の取り消しを求めた裁判の口頭弁論がありました。

訴えを起こしているのは、現在の廿日市市吉和などで黒い雨を浴びたと訴えている23人です。このうち17人は「黒い雨の降雨地域と確認できない」などとして被爆者健康手帳の申請が却下されました。

訴えでは、「黒い雨に遭ったという証言の信用性を慎重に吟味し、雨が降った可能性を判断すべきだ」などとして、県や広島市に却下した処分を取り消すよう求めています。

18日の第1回口頭弁論で原告団の 岡久郁子 団長は、自身が被爆者手帳を却下された理由として、「黒い雨に遭ったことは確認できるが、疾病にり患したことが確認できず、被爆の事実が確認できない」と、広島市から通知があったことを証言しました。

そして、「県や広島市は、手続きから取り残されている人をどう救うのか、方針を示していただきたい」と求めました。

一方、県や広島市は訴えを退けるよう求めました。

弁護団は相談会を開くなどして引き続き原告を募り、追加提訴をする方針です。

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