「なんと牛赤丸」に決定 日本短角種のブランド名南砺・トレボーでお披露目

「なんと牛赤丸~福光そだち~」を調理する長岡シェフ=南砺市立野原西のトレボー

  ●出張料理人「赤身、レベル高い」

 南砺市がブランド化を支援する希少な和牛「日本短角種(たんかくしゅ)」のブランド名が「なんと牛赤丸(うしあかまる)~福光そだち~」に決まった。18日、ワイン醸造・販売のトレボー(同市)でお披露目会が開かれ、田中幹夫市長や飲食店関係者ら約20人が試食し、愛称が発表された。調理した出張料理人の長岡作茂さん(富山市)は「赤身のレベルが高い」と評価した。

 ブランド名は公募され、18人から37件の応募があったうち高田夏寧さん(10)=南砺市才川七=の「なんと牛赤丸」に、千重清美さん(64)=同市西赤尾町=の「福光そだち」を副題として足した。

 福光畜産生産出荷協議会がお披露目会を主催し、市内で日本短角種を飼育している上野畜産代表の上野幸生会長(46)が「地元のえさで育てたおいしい肉を楽しんでほしい」とあいさつ。出席者とともに初めて試食に臨んだ。

 日本短角種は脂肪分が少なく、うま味成分の多い良質な赤身肉であることが特徴。長岡さんがタン塩、ヒレとサーロインのステーキ、ビーフシチューなど8品に腕を振るい、赤身の味を高く評価するとともに「繊維に付いている脂が上品だ。東京でかなり売れると思う」と感想を語った。

 トレボーのワインとともに試食した田中市長は「脂がおいしい。かめばかむほど良い味がする」と笑顔を見せた。上野さんは「柔らかくて肉の味がしっかりしている」と述べた。

 上野畜産は肉牛約270頭と、繁殖用の和牛と子牛の計約100頭を飼育している。昨年、日本短角種2頭を導入し、耕作放棄地で放牧したほか、トレボーでワイン醸造時に出たブドウの絞りかすを飼料に混ぜて育ててきた。今年は2頭、来年は4頭の出荷を予定している。

 上野代表は、今後の日本短角種の飼育について、買い入れる飲食店などがどれだけあるか反応を見て頭数を考えると説明した。

試食する田中市長(右)と生産者の上野さん=南砺市立野原西のトレボー

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