保護猫を飼う前の『トライアル期間』って何?期間中にチェックしておきたいこと5つ

もし保護猫を譲り受けたいとお考えなら

最近はさまざまなメディアで動物保護団体の活動が紹介されているためか、新しく迎える猫は保護猫をと考える方も増えてきています。保護猫を迎えるためには、里親を募集している個人または団体の保護主や自治体、企業などをみつけて応募する必要があります。

インターネットで「保護猫」「譲渡会」「里親募集」と「地域名」を組み合わせて検索すると、地元の譲渡会や保護団体などを見つけられます。自治体の公報誌や施設、動物病院の張り紙を探したり、保護猫カフェなどを利用するのも良いでしょう。

ただし、応募すればすぐに譲り受けられるというわけではありません。

一般的には、下記のような流れになることが多いようです。

(1)譲渡条件を確認
(2)定型フォームに必要事項を記載して応募
(3)保護主による申し込みの受諾
(4)保護猫や保護主との面会
(5)トライアル期間(1週間〜1ヵ月程度)
(6)譲渡の成立 または 不成立

譲渡会も含め、応募してすぐに「はい、どうぞ」となることはまずないでしょう。保護主さんは、保護猫を託すに値する方(ご家族)かどうかを見極めるために、いろいろなことを確認します。

生活環境や経済力、終生飼育の覚悟など、場合によっては「失礼な!」と思うようなことまで聞かれます。中には、根掘り葉掘り聞かれて嫌気がさしたという方もおられるほどです。しかしこれも、保護猫が幸せに暮らせるかどうかを見極めるための確認です。

そのひとつとして、「トライアル期間」が設けられている場合もあります。今回は、ペットショップではなかなか体験できないこのトライアル期間とは何なのか、何をチェックすべきなのかについて解説します。

保護猫を飼う前の「トライアル期間」とは

トライアルアンドエラー(trial and error:試行錯誤)という言葉のイメージで、トライアルを「正解を探すために失敗を積み重ねる」ことを前提にしたものだと捉えているのであれば、それは間違いです。

保護猫を譲り受ける際の「トライアル期間」は、あくまでも正式譲渡を前提としています。譲渡予定の猫にとって、健康で快適に暮らせる環境を作れるかどうかを、飼い主さん候補者と保護主さんの双方が最終確認するための期間がトライアル期間です。

トライアル期間中はまだ保護主さんの猫ですが、あくまでも正式譲渡が前提なので、期間中の体調不良や脱走などの責任は、飼い主さん候補側にあることが一般的です。期間中の治療費や猫の生活環境整備の負担は、すべて飼い主さん候補側になると考えましょう。

その上で、飼い主さん目線で一緒に快適に暮らせるか、保護主さん目線で保護猫を飼い主さん候補に託せるかを、実際の生活を通して最終確認します。もし先住動物がいる場合は、その子と仲良くなれるように少しずつ距離を縮めていく努力を行う期間でもあります。

「トライアル期間」中にチェックしておきたいこと

ではここからは、保護猫を飼う前の「トライアル期間」の間にチェックしておきたいことを解説します。

1.猫アレルギーの有無

一緒に暮らし始めてからご家族に猫アレルギーの持ち主がいることが発覚するのは、猫にとってもご家族にとっても不幸なことです。猫アレルギーではなくても、猫と一緒に暮らすことで喘息の症状が悪化する、というケースもあるようです。

一緒に暮らしているご家族全員が一緒に過ごせるタイミングを見計らってトライアルを行い、健康上の問題がないことを確認しましょう。

2.猫との相性

何でも相性のせいにしたくはありませんが、どうしてもうまく付き合えない相性というものがないわけではありません。トライアル期間中に、飼い主さん候補やそのご家族と、迎える予定の保護猫との相性を、しっかりと見極めましょう。

先住動物がいる場合は、その子と新しく迎える子を計画的に引き合わせ、時間をかけながら距離を縮めさせましょう。焦らずに進めれば、大抵の子たちはうまく付き合えるようになりますが、どうしても難しければ、保護主さんに相談しながら最終結論を出しましょう。

3.猫との生活に耐えられるか

猫と暮らすのであれば、今までと同じ生活を送ることはできません。お気に入りの家具が傷付けられたり、猫が出入りできない部屋に収納している洋服にまで猫の毛が付いてしまうなど、人によっては我慢し難い点が見えてくるかもしれません。

トライアル期間中に解決策を見つけ、猫にも飼い主さんご家族にも居心地の良い生活空間が作れるように、試行錯誤を繰り返しましょう。

4.準備状況の確認

しっかりと準備をした上でトライアルに臨んでいても、実際に暮らし始めると不備な点がみつかると思います。

必要に応じて脱走対策を強化したり、部屋の使い方や生活の仕方などを見直すなど、準備状況を再チェックしましょう。

5.保護主との関係性確認

トライアル期間中は、定期連絡などで保護主さんと連絡を取る機会が多いはずです。その中で、保護主さんと良い関係を築けるかどうかを見極めることも大切です。

経験豊富な保護主さんに、正式譲渡後も相談に乗ってもらえる関係性を築いておくことをおすすめします。

まとめ

猫の平均寿命は15年強で、20年以上長生きしてくれる子も少なくありません。もしご自身の年齢が心配な場合は、成猫や高齢猫を引き取るというのも選択肢の一つです。やんちゃで悪戯をすることが少なくさほど俊敏ではないなど、一緒に暮らしやすい要素も多いです。

医療費面や猫の介護に要する時間などに大きな問題がなければ、成猫や高齢猫の里親も魅力があるといえるでしょう。成猫や高齢猫との出会いは、保護猫だからこそです。里親に年齢制限のあるところもありますので、よく調べた上でトライアルを検討してみてください。

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