ソフトボールの「物語」絶やさず 社会人大会がリニューアル 「多世代で楽しみませんか」/岡山・津山市

岡山県の美作地域で開かれ、36年の伝統を誇る、社会人女子ソフトボール大会「津山朝日新聞社盾争奪一般女子ソフトボール大会」は今年から、中学生から社会人までの選手が参加できる大会に変わる。主管する津山ソフトボール協会は「ソフトボール競技を生涯スポーツと位置づけ、さまざまな年齢層のチームが楽しんで試合ができる機会を提供したい」と参加チームを募っている。

変更は近年の参加チーム減少に伴うもので「美作地域でつむいできたソフトボールの物語を絶やしてはいけない」と踏み切った。

本大会創設の背景は昭和50年代のソフトボールブーム。スポーツ少年団活動では人口が一番多く、強豪校として知られた美作高校や津山商業高校の女子ソフトボール部が活躍するなどし、美作地域の社会人女子ソフトボールも盛り上がっていた。そして津山スポーツセンターサッカー場に夜間照明施設が完備したのを受け、ナイターでソフトボールを楽しんでもらおうと本社主催で1987年に始まった。最初の大会は13チームの参加があった。

長年にわたり地域のソフトボールシーンをけん引し、見守ってきた大上康明同協会副会長(83)は「スポーツをする喜びに満ちあふれていた素晴らしい時代。高校時代にソフトボールの経験がある若いママさんたちが集まった。スポ少の保護者が自分たちも楽しみたいと、地域チームをつくった。そんな彼女たちは楽しく参加できる大会を欲しがっていた。そうして津山朝日新聞社盾争奪大会ができた」と振り返る。

1983年に美作高校女子ソフト部OBを中心に結成した「津山みまさか」が、後楽園球場で開かれた「第3回全国家庭婦人ソフトボール大会」出場を果たし地域の実力を示した。大会終了後にチームは解散、メンバーは各地域のチームで活躍した。

中心メンバーの一人だった奥山初子同協会会計副部長(75)は美作高OBではない。大阪出身の奥山さんは、インターハイソフトボール全国優勝経験者。結婚を機に移住した津山でソフトボールと〝再会〟する。初の女子公認審判員となり、スポ少の監督も務めるなどしながら、55歳まで選手としてプレーした。

「二度の青春を味わった。高校時代はとても厳しかったが、楽しいソフトボール人生だった」と話す。娘はもとより孫まで文字通り3世代のソフトボール一家。「たくさんの仲間、友だちをつくって、多世代で仲良くソフトボールを楽しみませんか」

第37回大会は30日、津山市山北の中央公園グラウンドで開催予定。参加資格は▽美作地区内に居住地か勤務・在学先を有している社会人、または中・高・大学生で構成する女子チーム―など。抽選会は22日に津山東体育館で開かれる。
問い合わせは、杉浦総務部長(☎090-6836-6060)。

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