高島誠が教えるアップシューズ&野球スパイクの選び方!ニューバランス製がおすすめな理由とは!?【革新的守備・走塁パフォーマンス】

シューズの選び方

膝がブレたり、足運びに違和感があるなら靴やスパイクを見直してみよう

ランジチェックがうまくできなかった場合、普段履いている「靴」や「スパイク」が合っていないことが考えられます。実際、私のジムで自主トレを行なっているプロ野球選手でも、そうしたケースがよくあります。「ピッチングでどうしてもコントロールが思うようにできません。動きのなかで膝がブレるんですよね」

ある投手がそう話していたので、足の指先を見てみると「外反母趾」になっていました。足の親指(母趾)が小指側に曲がり、「く」の字のように変形している状態のことです(右足の場合)。親指が通常より内側に入っているので、足の下側から膝が内側に引っ張られてしまうわけです。本来、足が内側に行かないように親指が止めてくれているのに、外反母趾の人が走ったりボックスジャンプをしたりすると、膝が内側に入って動作の邪魔をしてしまいます。この投手が思うようにコントロールできないのも、外反母趾によって膝が内側に引っ張られていることが一因だと考えられます。

逆に、足の小指(小趾)が親指側に曲がり、逆「く」の字のように変形している状態(右足の場合。左足なら「く」の字になる)を「内反小趾」と言います。小指が通常より内側に入ると、力が外側に逃げやすくなります。つまり、足が地面からめくれてしまうために、「外旋を効かせる」という動きがしにくくなります。そのため、ピッチングなどで「膝が外に割れる」と言われるような動きになるケースがあるのです。

足先が広いスパイクは〝安定する〟と感じるはず

前述のプロ野球選手に足先が広いスパイクを履いてもらうと、「すごく安定します」と言いました。それまで履いていたスパイクは足先が細く、親指や小指が内側に引っ張られて、膝の動きも悪影響を受けていたのです。足先が広いスパイクに履き替えたことで“邪魔”をする要因が除外され、自分の思うような動きがしやすくなった結果、コントロールも改善されました。

昨今、プロ野球選手がこうした点に敏感になっていると思われるのが、ニューバランス社のスパイクを履く選手が増えていることです。つま先が広く設計されているので、指が伸ばしやすく、同時に広げやすいからだと考えられます。そうしたスパイクは自然(素足)の状態に近いから「履き心地がいい」と感じるのでしょう。動きやすいということは、ピッチングや走塁時などの安定感にもつながっていきます。

膝がブレる選手などにおすすめのニューバランス社製のシューズやスパイク

ニューバランス社製のシューズやスパイクは比較的足先が広くつくられているため、膝がブレる選手などにはおすすめ。

また、徐々に増えているのが足袋スパイクです。岡本製甲というメーカーなどが発売していて、足先が広い設計になっているので
「動きやすい」と感じる選手が多いのだと思います。

岡本製甲などのメーカーが発売している足袋スパイク

足先の広さや動きやすさから近年、使用する選手も増えている足袋スパイク。足先が足袋のように分かれているため外反母趾のリスクも少ない。

試合中に履くスパイクや、アップの際に使用するシューズはそれくらい重要なツールです。しかし、「カッコいいから」などと何となく選んでいる選手も少なくありません。それで問題なければいいですが、動きの邪魔になるとパフォーマンスの低下を招く可能性もあります。自分が理想的な動きをできているのか、正しく認識するためにもランジチェックを行なってみてください。

問題があった人にオススメするのが「ユビスラ」という器具の使用です。発泡ゴムの素材でつくられ、足の指先にはさんで使います。外反母趾や内反小趾を修正し、地面をつかむような足指の感覚を得ることができます。足先が広い靴なら、ユビスラを着用して履くことも可能です(足先が狭い靴の場合は、ユビスラをカットして調整しましょう)。

外反母趾や内反小趾を修正する「ユビスラ」

「ユビスラ」を足の指先にはさむことで外反母趾や内反小趾を修正し、地面をつかむような足指の感覚を得ることができる。このままシューズを履いてもOK。

アップシューズでオススメしているのが「ゼロシューズ」です。一般的なシューズにはクッションなどの機能が備えられていますが、ゼロシューズは極力「素足」に近づくように設計されていることが特徴です。足の自然な動きを妨げず、足先もゆとりを持ったつくりになっています。ユビスラを着用したまま履くこともできます。

素足に近い感覚で足の自然な動きを妨げない設計の「ゼロシューズ」

素足に近い感覚で足の自然な動きを妨げない設計になっている「ゼロシューズ」。足先も広いのでユビスラを装着したままでも履ける。

近年はそのほかのメーカーでも、足先を広く設計されたシューズも発売されています。購入時の目安として、靴を履いてランジチェックや片足のランジスクワットのチェックをしてみてください。明らかに不安定なら、靴が合っていない可能性も考えられます。自分に合ったものを探し出してください。

試合が近くて新しいスパイクを買いに行く時間がない場合、例えば先端の紐を緩く絞めたり、内側の皮革をオイルやクリームで柔らかくしたりして、少しでも広げてみるといいでしょう。少しでも工夫をすることにより、動きやすさが変わってくると思います。

足先の広げやすさは、走塁や守備、投球などの動きやすさに大きく関わってきます。先が細いスパイクを履くと、足先に無駄な力が入り、動きの邪魔になってしまいます。つまり、走塁で足を一歩踏み出すごとにロスが生まれているので、1プレー、1試合のトータルでは大きなロスになっていきます。そうした「0・1秒」の積み重ねが、大きな違いになっていくわけです。スパイクやシューズの選択は大きな違いを生むので、ぜひ、自分の足元にも目を向けてください。

出典:『革新的守備・走塁パフォーマンス』高島誠

『革新的守備・走塁パフォーマンス』はこんな人におすすめ!

・実際にプロで活躍している選手が取り入れている理論を知りたい ・守備・走塁を強化したい! ・具体的な練習方法を子どもに教えたい!
と感じている方には大変おすすめな本です。

1歩=0.1秒にこだわれば、俊足、強肩は、獲得できる、体格に劣る選手でも練習の質や技術を高めることで、プロと同等の水準を発揮しやすいと言えます。本書では、どのような意識で、どうやったら守備や盗塁の成功率を高めることが出来るか、肩を強くすることが出来るのか?実際にプロ野球選手と共に自主トレを行っている高島氏のメソッドを紹介すると共に、効果的な練習法を提案します。わずか一歩を短縮することで0.1秒を作り出すために何をしなければならないのか?それが革新的なパフォーマンスにつながります。

プロでも使われる技術を、高校生でも実践できるようオールカラーでわかりやすく解説!

普通の高校生でも140km/hを投げれるようになる、柵越えを連発できるようになる技術は、確かに実践可能ですが、ある程度の練習と時間を有します。技術と共に体を鍛えなければいけないからです。しかし守備と走塁に関しては、そこまで体格差は問題ありません。いかに一歩を早く踏み出すか、それにより0.1秒をどう短縮するか、その理論と実践メソッドを徹底解説します。

気になる中身を少しだけご紹介!グローブはどう選ぶ?

近年のトレンドは操作性の高い“コユニ”

野手にとって“相棒”とも言えるグローブを選ぶ際、どういう基準で決めていますか?憧れの選手が使っているとか、好きなメーカーだからなど、見た目を優先している人も少なくないかもしれません。もちろんカッコいいにこしたことはないと思いますが、最も重要なのは捕りやすさです。そこでまず考えてほしいのが、どんなグローブを使えば守備範囲が広くなりやすいかということです。まず、ゴロをさばく体勢は「正面で捕る」と「片手で捕る」の2パターンに大きく分けられます。本書では「正面で捕る」ことにこだわる必要はないとしていますが、主な理由は以下になります。

①パフォーマンスラインで左足が使いやすい場合、ゴロの正面に入るより、体の左側で捕球するほうが動きやすいという人もいる
②両手で捕る(正面で捕る)より、片手で捕る(シングルキャッチ&逆シングル)ほうが、守備範囲が広くなる
③正面に入っての“当て捕り”では、強い打球には対応しにくい

守備で大切なのは、いかにアウトの数を増やしていけるかです。それにはプレーの正確性や素早さ、そして守備範囲の広さが関わってきます。③で挙げた“当て捕り”は、素早いプレーにはつながるでしょう。グローブで捕球するのではなく、文字どおりグローブの土手でゴロをあてるようにして止めて、添えている手で素早く握り変えて送球できることがメリットです。ただし、“当て捕り”は両手で捕る(正面で捕る)ことを前提としているので、守備範囲が限られます。強いゴロが飛んできた場合、グローブの土手に当てても打球の勢いに負けて大きく弾いてしまうこともあるでしょう。対してシングルキャッチや逆シングルは、正面に入っての捕球より守備範囲が広くなり、強い打球にも負けずにキャッチできます。練習していけば、正面で捕るのと同じくらい捕球の精度も高められるはずです。メジャーリーガーの多くがシングルキャッチと両手での捕球を状況によって使い分けていることを考えると、必ずしも「正面で捕る」必要はないのです。シングルキャッチの確率を高めていく上で重要になるのが、どんな形状のグローブを選ぶかです。一般的にグローブは「縦型」と「横型」に分けられますが、私はもっと細かく分類する必要があると考えています。例えば野手の場合、グローブのポケットが深いとシングルキャッチをしやすく、そうした形状のものを「縦横型」と呼んでいます。

一方、“当て捕り”用は「縦型」で、ポケットが浅いです。そもそも土手で当てて止めることを目的につくられているので、ポケットが深くある必要はないのでしょう。本書で述べてきたように私はシングルキャッチもできることを推奨していますが、そうした捕球をする上で、近年プロ野球の名手たちの間で流行し始めているのが、“コユニ”という仕様のグローブです。文字どおり、グローブの小指を指す箇所に薬指と小指の2本を入れて、中指と人差し指はそれぞれ1本ずつ横にずらし、人差し指の箇所を開けて装着します。詳しくは66ページから説明していますが、人間の身体の構造上、薬指を中心に回転させたほうが手の操作性を高めやすくなるのです。加えて“コユニ”にするとグリップの力が上がりやすいので、強い打球にも負けずに捕球しやすくなります。そうして上手くキャッチできれば、スムーズな送球にもつなげやすいはずです。

“打球は変化する”ことを理解しよう「ボールのどこを打つかで打球にかかる回転は変わる」

プロ野球選手の一流打者は、打ちたい打球をイメージしてボールとコンタクトする場所を狙い分けると言います。細かく分けると、ボールは上、下、外、内、前、後ろを打つことができます。同じ軌道のスイングでも、どの場所を打つかによって打球にかかる回転が変わります。だから、ボールの打つ場所を狙い分けるというのです。学生野球でそこまで狙える選手は珍しいでしょうが、さまざまな打球が飛んでくることは変わりません。

逆に言えば、規則的な回転の打球が飛んでくるとは限らないのです。ゴロがイレギュラーにバウンドするのはグラウンドの凹凸などに要因がある場合もあれば、そもそも打球の回転により、地面と接地した際に不規則な方向に弾んでいくことも考えられるわけです。イレギュラーバウンドのゴロに対応するためには、まずはそう知っておくことです。その上で、スピンアクシスボールでノックを受けてみてください。バットの入射角や、スイングの軌道、ボールを打つ場所により、打球にかかる回転の違いを視覚的に捉えることができます。そうしたイメージを持っておくだけでも、実戦での対応が変わってくるはずです。

★基本の構え・守備とは ★キャッチャーミットの動かし方とは? ★走塁時のスタート足について ★俊足になるための詳しいトレーニング法とは
などなど気になるタイトルが目白押し!

著者の高島氏の元には今なお、シーズンオフの自主トレで球団の垣根を越えて、プロの野球選手が集まってきます。長くプロ野球選手を続けるために、自分に必要な技術を高めるため、高島氏の始動を求めて来るのです。本書はそこで教えるメソッドを具体的な練習方法と共に紹介しているので、あなたも「俊足」「強肩」を獲得できるようになります!

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『革新的守備・走塁パフォーマンス』
著者:高島誠

多くのプロ野球選手を育成し、プロ野球選手のサポートをするトレーナーな高島誠氏による「革新的パフォーマンス」シリーズ第4弾!1歩=0.1秒にこだわれば、俊足、強肩は、獲得できる、体格に劣る選手でも練習の質や技術を高めることで、プロと同等の水準を発揮しやすいと言えます。本書『革新的守備・走塁パフォーマンス』では、どのような意識で、どうやったら守備や盗塁の成功率を高めることが出来るか、肩を強くすることが出来るのか?実際にプロ野球選手と共に自主トレを行っている高島氏のメソッドを紹介すると共に、効果的な練習法を提案しています。わずか一歩を短縮することで0.1秒を作り出すために何をしなければならないのか?それが革新的なパフォーマンスにつながります。プロでも使われる技術を、高校生でも実践できるようオールカラーでわかりやすく解説。野球に携わるすべての人に読んで欲しい一冊です。

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