使うのは自分の携帯電話やスマホ 耳元で聞く特殊詐欺防止の体験会

「自分はだまされない」そう思っている人も多いのでは。自分の携帯電話を使って普段の状況に近い形で参加する、特殊詐欺防止に向けた体験会が行われました。リアルな体験は参加者の様々な学びにつながった様です。

今月、町田市で行われた特殊詐欺を防ぐための体験会。行われたのは声を聞き分けるクイズです。

(詐欺電話の音声)「私の声をよく覚えておいて、私の声がどれだか当ててください」
(電話音声)「1番の音声です。俺だよオレオレ」「2番の音声です。オレオレ、俺だよ」「3番の音声です。オレだよ俺、俺。」

今回主催した東京都は、より現実に近い状態で手口を体験してもらうため、参加者に自分が普段使っている携帯電話やスマートフォンで参加してもらいました。その結果は…

(会場・正解発表)「正解は3番になります」

3分の2は正解したものの、残りは不正解。使い慣れた自分の電話でも声だけで人を聞き分けるのは難しいようです。さらに会では、実際の犯行でのやりとりを聞くという体験も。

(特殊詐欺犯行の音声)「あのさ、ちょっと聞きたいことがあって電話したんだけどさ」「うん」「きょうそっちに落とし物のことで電話とか入ってないかな」「落とし物?」「落とし物」「入ってないね(名前)何か落としたの?」

実際には無音の部分に、家族の名前が録音されていて、やりとりの中でうっかり名前をもらしてしまった瞬間です。実際に詐欺に使われた犯人とのやりとりを自分の電話で聞くことで、参加者は様々なことに気付いたようです

(参加者60代女性)「なんで何度もいろいろなことでお聞きするのにだまされるのかなと思いましたけど、電話の声ですとかああいうのは本当に聞き取れない分からないと、今日の体験で分かりました」

(参加者70代男性)「電話の生々しい声が聞けて有効でした結構テレビでもやってますけど電話で直接聞くとそれなりの迫力はありますね」

(東京都 治安対策課 山上嘉人 課長)
「耳元で知らない人からありえない話をされてしまうと心がゆさぶられてしまう。実際の体験を通じて電話の怖さを経験していただければなと思っております」

都は今年度中に1500人の参加者を目指し25回の体験会を予定しています。

© TOKYO MX