黒いシルエットで豊かに描く 少年と囚人の心の交流 ミッシェル・オスロ「古の王子と3つの花」本編映像

2023年7月21日より劇場公開される、「キリクと魔女」「ディリリとパリの時間旅行」などで知られるフランスのアニメーション監督ミッシェル・オスロの最新作「古(いにしえ)の王子と3つの花」の第2話「美しき野生児」から、父親に部屋を追い出された主人公の少年が、中庭に行き地下牢に落としてしまったボールを拾ってくれた囚人と会話を交わすシーンの、本編映像が公開された。

以前に地下牢に落としてしまったボールを拾ってもらったことをきっかけに、言葉を交わすようになった少年と囚人。囚人に娘がいると聞いた少年が「どんな娘さん?」と質問すると、囚人は「優しくて皆に愛されてる。いつも歌っていた」と答える。少年が「どんな歌を?」と尋ねると、囚人は記憶をたどりながらゆっくりと歌い始める。その歌声に合わせ少年も「知らない者同士だけど、ジロフラ、ジロフレ、もう愛し合っている~」と一緒に歌い出す。

各話ごとに異なる手法で描かれた本作。第2話ではミッシェル・オスロ監督の得意な切り絵の手法で、人物が黒いシルエットで描かれている。日本語吹き替え版では、主人公の少年役を歌舞伎俳優の市川新之助が演じている。

「古(いにしえ)の王子と3つの花」は、古代・中世・18世紀という3つの時代における、エジプト、フランス・オーヴェルニュ、オスマン・トルコ帝国という3つの都の物語を、映像美によって描いた作品。古代エジプトのクシュ王国の王子が上下エジプトを統一し、黒人初のファラオとなる物語「ファラオ」。理不尽な城主である父に反逆した中世フランスの王子の物語「美しき野生児」。イスタンブールが舞台の豪華絢爛(けんらん)な”おいしい”物語「バラの王女と揚げ菓子の王子」。勇気と知恵で、非暴力によって自分の人生を逆転させていく3人の王子のエキゾチックな物語が展開される。

【作品情報】
古(いにしえ)の王子と3つの花
2023年7月21日(金)より、YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
配給:チャイルド・フィルム
©2022 Nord-Ouest Films-StudioO - Les Productions du Ch'timi - Musée du Louvre - Artémis

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