ブドウ畑・ワイナリーの経営、スマート化が進む

寧夏回族自治区の省都、銀川市永寧県にあるLilan Wineryのブドウ畑の精密灌漑データを表示するスクリーン

AsiaNet 100205 (0497)

【銀川(中国)2023年7月7日新華社=共同通信JBN】Su Wenping氏は、モバイルアプリで自身のブドウ畑の土壌温度、湿度、灌漑データを監視しています。アプリのボタンを押すことにより、20ヘクタールのブドウ畑に正確に灌漑を行うことができます。

このような現代の灌漑は、農民が灌漑のために手動で水道栓を開けなければならなかった過去の時代とは対照的です。当時はより多くの労働力が必要となるだけでなく、水の無駄遣いも発生しました。

60歳のSu氏は「以前はブドウ畑の管理に最大8人の従業員が必要でしたが、今では2人だけで済みます」と語り、スマートソフトウエアの精密灌漑により水の使用量が20%削減できたと付言しました。

Su氏は、中国西北部・寧夏回族自治区の首都、銀川市永寧県にあるLilan Wineryのブドウ畑農園経営者です。

同氏のワイナリーは、寧夏回族自治区の賀蘭山の東麓にある約200のワイナリーのうちの1つです。日照時間が長く、涼しく乾燥した気候がブドウ栽培に好影響を与えているため、この地域は世界のワイン地図で注目の星となり、地元ワインが多くの国際的な優秀賞を受賞しています。寧夏回族自治区のワイン用ブドウの栽培面積は3万8867ヘクタールに達しています。

ワイン産業が発展の勢いを見せている寧夏回族自治区は、ブドウ園やワイナリーにさまざまなスマートデジタル技術の導入を推進し、より少ない労働力でより効率的に高品質ワインを提供しています。

ブドウ畑の別の区画には害虫駆除施設が設置されています。農家はブドウ畑のマイクロパワーネットワークを通じて、光電効果システムで害虫を殺すことができ、また、施設には画像取得装置が装備されているため、害虫侵入に関する情報を収集することもできます。

銀川市のYongning power supply companyのLi Xuyang副ゼネラルマネジャーは「システムを通じて収集された情報と統計は分析され、農家が農薬散布の割り当てをより適切に決定し、昆虫とより効果的に戦うのをサポートします」と述べました。同社はState Gridの関連会社で、スマート農業拠点としてのブドウ畑の確立を支援してきました。

青銅峡市のXige Estateのワイナリーでも、ワイン醸造所はまた、アプリを通じてデジタル化されており、醸造者が各発酵期間を遠隔制御できるようになっています。

同ワイナリーの醸造アシスタントであるWang Fei氏は、ワインの種類によって異なる発酵温度が必要であり、このスマートシステムは醸造者が温度を遠隔監視してリアルタイムに調整するのに役立つだけでなく、ワイン製造の効率も向上させると述べました。

Wang氏は「現在、215基の発酵タンク管理に必要な作業員は10人だけです」と述べ、ワイナリーの年間ワイン生産量は600万本に達していると付言しました。

寧夏大学のZhang Junxiang教授は、ブドウ畑とワイナリーのスマートな管理を推進することは、将来に向けて必然的な選択と述べました。

「この方法によってのみ、効率をさらに向上させ、コストを削減し、寧夏回族自治区の高品質ワインの国際市場での競争力を高めることができます」とZhang氏は述べました。

ソース:State Grid Yinchuan Power Supply Company

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(画像説明:2023年6月14日に撮影されたこの写真は、中国西北部・寧夏回族自治区の省都、銀川市永寧県にあるLilan Wineryのブドウ畑の精密灌漑データを表示するスクリーン)