ジェイソン・デイ の14本 “PGAイチのアプローチ上手”が選んだソールはナニ?

全英オープンに挑む14本(撮影/服部謙二郎)

◇メジャー最終戦◇全英オープン 事前情報◇ロイヤルリバプール(イングランド)◇7383yd(パー71)

5月の「AT&Tバイロン・ネルソン選手権」で5年ぶりの復活優勝を遂げたジェイソン・デイ。その優勝直後にアイアンを総とっかえしていたのはご存じだろうか。

ヒール側が高いウッズ設計モデル(撮影/服部謙二郎)

元々はテーラーメイドの「P7MCアイアン」だったが、同じテーラーのタイガーウッズと共同開発した「P7TWアイアン」に代わっていた。「前のモデルも気に入っていたけど、『P7TW』のほうがスピン量も多く、球も高いんだ」と、より球を止めやすいモデルへマイナーチェンジ。シャフトは同じ、KBSツアーのCテーパー125+を装着している。

デイといえばクラブ契約フリーになって久しいが、彼が使うクラブこそやはり「本当にいいものを使っているのでは」と思ってしまう。ピンのドライバー「G430 LST」もそのひとつ。「インパクトのサウンドとコースでの安定性の高さをジェイソンは評価してくれています」(ピンのクラブ担当)と、デイの5年ぶり優勝に貢献。ボール初速も2mph上がったというから、それは手放せないだろう。

フェアウェイウッドはテーラーの2本を入れているが、3番ウッドにはSIM MAX、そして7番ウッドはステルスフェアウェイウッドと、「フェアウェイにはやさしさが欲しい」というメッセージが伝わってくる。

意外と知られていないのが、彼が生粋の“ショートゲーマー”だということ。アプローチの上手さを評するストロークゲインドスクランブリングの数字は、現在3位(カナディアンオープン終了時点では1位)。ショットメーカーと思われがちだが、実際はショートゲームでスコアを作ってくる選手。そんな彼が使うウェッジには自然と興味がわいてくる。

バウンスはかなり少なめだ(撮影/服部謙二郎)

契約フリーになってからは、アーディザンのウェッジを使ってきたが、ここ数年はタイトリストのボーケイウェッジを使用。52度と56度は「SM9」、60度はウェッジワークスのプロトタイプで、ローバウンスモデルのTグラインドをチョイスしている。

「地面の硬いオーストラリアで育ったので、ジェイソンはバウンスが少ないモデルを好みます。今はTグラインドですが、Mグラインドも試したりしています」とはタイトリストの関係者。

Tグラインドはローバウンスモデル、Mグラインドはミッドバウンスで開いたり閉じたりしやすいモデルだ。「T」も「M」も、ヘッドをシャローに(低い位置から)入れるタイプの選手が好むソールというのは付けくわえておこう。

ヘッド上部に線が入るのを嫌う(撮影/服部謙二郎)

パターはもはや説明不要の長年の相棒、黒スパイダー(イッツィビッツィ スパイダー ゴースト)。デイといえば、これまでのキャリアはスパイダーとともに歩んできたが、時に“白蜘蛛”(スパイダー ゴーストJ・DAYプロト)、時に“赤蜘蛛”(スパイダー ツアー レッド)をバッグに入れ、今は“黒蜘蛛”に落ち着いている。ストロークゲインドパッティング(パッティングの貢献度)は16位とこちらも上位にいる。

15年全米プロ以来のメジャー2勝目なるか。期待を込めて見守りたい。

優勝を飾った直後にアイアンを替えた(撮影/服部謙二郎)

〈ジェイソン・デイの14本〉
ドライバー:ピン G430 LST(9度)
シャフト:TPTプロトタイプ
フェアウェイウッド:テーラーメイド SIM MAX(15度)、ステルス(21度)
シャフト:三菱ケミカル クロカゲ 80X
アイアン:テーラーメイド P770(4番)、P7TW(5番~PW)
シャフト:KBSツアー Cテーパー 125 S+
ウェッジ:ボーケイ SM9(52、56度)、ボーケイデザイン ウェッジワークス プロトタイプ(60度)
シャフト:トゥルーテンパー ダイナミックゴールド S400
パター:テーラーメイド イッツィビッツィ スパイダーゴースト
ボール:ツアーB X

飛びと安定性を両立したモデル(撮影/服部謙二郎)
ブリヂストンのボールを愛用している(撮影/服部謙二郎)

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