加賀・観光施設にクマ 「月うさぎの里」 従業員避難、けが人なし

クマが侵入した「月うさぎの里」を捜索する大聖寺署員や猟友会員=19日午前、加賀市永井町

  ●店内に侵入と通報

 19日午前8時35分ごろ、加賀市永井町にあるウサギと触れ合える観光施設「月うさぎの里」で、クマ1頭が店内に侵入したと従業員が大聖寺署に通報した。営業開始前で施設内に客はおらず、従業員は避難した。けが人はいない。署員や市職員、猟友会員らがクマを捜索しているが、正午時点でクマは見つかっていない。

  ●捜索も見つからず

 クマが目撃されたのは、従業員が営業前の準備をしていた時間帯で、店のどこから侵入したかは分かっていない。市は防災メールで付近住民に注意を呼び掛けた。

 現場はJR大聖寺駅から西に約3キロの山あいに面する地域で、近くには住宅街や工場地帯がある。月うさぎの里前ではクマを警戒して盾を構える警察官の姿も見られ、物々しい雰囲気に包まれた。

 石川県警と同署は、施設周辺の国道305号を通行止めとした。

 月うさぎの里は放し飼いのウサギに餌をあげたり、食事をしたりすることができ、カップルや家族連れに人気がある。

 同市内では今年度、18日時点でクマの目撃情報が市に26件寄せられ、秋にクマが大量出没した2020年の同時期の目撃件数を上回っている。

 同市内では20年10月、JR加賀温泉駅前の商業施設「アビオシティ加賀」に成獣のクマ1頭が侵入し、13時間半後に駆除された。

© 株式会社北國新聞社