メジャーに“完敗”も… 山下美夢有「技術があれば絶対に通用する」

ショット、アプローチとやることは山積み(撮影/中野義昌)

◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 事前(19日)◇ザ・クイーンズヒルGC(福岡)

昨年10月「樋口久子 三菱電機レディス」からの連続予選通過が「22」で止まった。今年の国内ツアー前半戦で4勝し、年間女王争いのトップを走ってきた山下美夢有が「あんな難しいコースは初めてでした」2週前の海外メジャー「全米女子オープン」で叩きのめされた。

広い米国でも有数の名門・ペブルビーチGL(カリフォルニア州)。大会で設定された総ヤーデージは6509yd(パー72)。今週が6540yd(パー72)という国内ツアーと比べても、決して長くない。

実際「日本と同じように(グリーンを)狙えた」という。ダウンジャケットを着込み、使い捨てカイロも手にした気温や、湿気を含んだ強い海風といった要因も確かにあった。しかし、山下が思う“難しさの本質”はそこではない。

どんな時も冷静さがほしい(撮影/中野義昌)

「例えば、グリーンの奥に外したり、曲げたら、とんでもないことになる。ピンを狙ったらダメなんです。センター狙いでいい。そう思ってたんです」

コース本来のポテンシャル、それを押し出すメジャーのセッティング。「もっと冷静にならないといけなかった。そうしないといけないと思ってたのに…」

予選2日目の前半18番パー5で喫した「9」。ドライバーショットを左に曲げ、海沿いの岩礁エリアに打ち込んだ後。「打てる」と思って、2度トライし、2度とも脱出に失敗。最終的にティイングエリアに戻って5打目からやり直した。ヘコんだのか、と思えば、そうでもなさそうだ。

「海外、ほんまに楽しいですよ」

昨年10月以来の予選落ちで、負けん気に火がついた(撮影/加藤裕一)

4月「シェブロン選手権」と6月「全米女子プロ」の海外メジャー出場を見送り、満を持して出場した全米女子。「準備して行った。そのつもりやったんです。でも…」

国内ツアーでトップに立って、挑んでダメだった。「行かないとわからないことがある」と気付き、全米後、27日開幕の「アムンディ エビアン選手権」(フランス・エビアンリゾートGC)、8月10日開幕の「AIG女子オープン(全英女子)」(イングランド・ウォルトンヒース)とメジャー残り2戦の出場を決めた。

仕切り直しの国内ツアー後半戦を前に、強く思う。「技術があれば、絶対にどこに行っても通用します」。ショットの精度をさらに上げて、アプローチももっと磨いて。海外での挫折をバネに国内女王は強くなる。(福岡県糸島市/加藤裕一)

メジャー残り2戦の出場を決めた(撮影/加藤裕一)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン