津山の阿波小水力発電所が稼働 住民出資の合同会社が運営

阿波地区で稼働を始めた小水力発電所

 津山市阿波地区を流れる落合川の水を利用した「阿波小水力発電所」が地区内で稼働し、売電事業に乗り出した。発電量は年間約31万5千キロワット時。約1070万円の売り上げを目指している。

 金山橋(同市阿波)近くの川沿いに平屋の発電所(約16平方メートル)を設置。落合川の水を林道に埋設した約800メートルのパイプを通して取水口から78.7メートル下の発電所に毎秒最大120リットル引き込み、水車を回して発電する。平均出力は36.7キロワット、最大出力49.9キロワット。発電量は一般標準家庭約100世帯分に相当し、全量を中国電力に販売する。

 住民出資の合同会社「あば村」が運営。地区の豊かな水資源を活用しようと昨年8月に着工し、完成後の4月17日から売電している。事業費は1億1千万円。

 あば村の石原楠三代表は「自然環境の保全に十分配慮しながら発電し、高齢化や人口減少が進む地域のために収益を還元したい」と話している。

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