古墳時代の建物に角材、板塀も 大津・穴太遺跡、有力者住居か

穴太遺跡から出土した大型掘っ立て柱建物跡の角材=14日、大津市

 大津市の穴太遺跡で古墳時代の大型掘っ立て柱建物と板塀が見つかり、市が19日発表した。建物の柱には角材が用いられており、弥生―古墳時代の掘っ立て柱建物では10例ほどという。板塀が出土するのもほとんど例がなく、市は有力者の住居か儀礼用の建物だったのではと推定している。出土した須恵器から古墳時代中―後期(約1500~1600年前)とみられる。

 建物の柱穴は16カ所あり、13本の柱が残っていた。いずれも横約20センチ、縦約10センチの角材で、高さ70~80センチ分が残存しているものもあった。大工道具の一種の「ちょうな」で加工されたとみられる。表面に彫刻で模様を施すために角材にした可能性があるとしている。

 柱間の距離は1.3~1.5メートル。柱の大きさや本数から、建物は南北約8.5メートル、東西約8.3メートルの規模で、母屋だけでなく庇もしくは縁側もあったらしい。

 板塀は厚さは2センチほど。南北は約12メートル分、東西はその半分弱。いずれも建物と方角をそろえており建物に関連するものと想定される。

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