「置き去り防止の徹底を」 夏場の事故対策 園バスに「安全装置」義務化 広島の設置率は57%

子どもが置き去りにされる事故を受け、2023年4月から、園児などの送迎バスに安全装置の設置が義務付けられました。ただ、広島県内の設置率は、6割程度にとどまっています。

こちらが、安全装置が取り付けられた認定こども園の送迎バスです。

車内アラーム
「車内点検を行ってください」

末川徹 記者
「バスのエンジンを停めると、『点検してください』とアラームが流れてきます。ドライバーは、子どもたちが取り残されていないかどうかなどを細かくチェックしながら、最終的にボタンを押すと、アラームが止まる仕組みとなっています」

安全装置は、国が「ある事故」をきっかけに、設置を義務づけたものでした。

2022年9月、静岡県の認定こども園で、園に通う3歳の女の子が通園バスに置き去りにされ、死亡しました。死因は重度の熱中症で、発見された時の体温は、40℃程度だったということです。

この事故を受けて、広島県内では、送迎バスの安全管理を徹底するよう、職員の意識向上を呼びかけています。あわせて、県内の対象施設にある約1000台の送迎バスを対象に、安全装置の義務化を求めました。

もともと、夏場の熱中症に備えて、6月までの設置を呼びかけていましたが、設置を終えたのは、57%にとどまっていて、2023年度中に完了させたい考えです。

広島県 安心保育推進課 辰巳広司 課長
「ヒューマンエラーを避けるため『安全装置』を使って『点検』とともに、二重で確認する。置き去り防止を徹底を図っていきたい」

これから夏本番を迎え、熱中症リスクが高まるなか、園児たちの安全を守るための対策が急がれます。

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