芥川賞に決まった市川沙央さんは19日、東京都内で開かれた記者会見で、カメラに向かって手を振ったり「この半年、感情がなかった。今ならすご腕のスパイになれたと思う」などとユーモアを交えたりして、喜びを表した。一方で、読書のバリアフリーを巡っては「環境整備を進めてほしい」と明確に主張した。
電動車椅子に乗った市川さんは、受賞作の書籍の表紙に使われた色に似た、鮮やかなオレンジ色のドレス姿で登壇。会見の冒頭で「非常にうれしく、われに天佑あり、と感じています」と語った。「これからが大変。(受賞決定者が報道各社に寄せる)エッセーを書くのが苦手」などと述べて、会場は度々笑いに包まれた。