![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1054498739589563007/origin_1.jpg)
七尾湾の養殖トリガイ「能登とり貝」が19日までに今年度の出荷を終え、販売額は前年度の4866万円を大幅に上回る6230万円で過去最高となった。1個当たりの平均単価も1056円で初めて千円を突破した。出荷9年目を迎え、サイズが大きく身が肉厚な個体を安定して生産できたことで首都圏を中心に需要が高まってきたことに加え、県の売り込み活動も功を奏した。
能登とり貝は近年漁獲量が減った七尾湾特産のトリガイを安定して供給しようと、2015年から本格出荷が始まった。現在は七尾市の能登島三ケ浦、中島町、石崎町、穴水町新崎の4地区で計24人が生産している。
販売額は初年度が441万円で、9年間で約14倍となった。おおむね出荷数の増加に伴い販売額が上昇している。今年は出荷数が5万8995個と前年度の6万5394個を下回ったが、販売額は増加した。
今年度は5月10日から6月23日まで出荷された。県水産総合センター(能登町)によると、出荷数の7割は東京・豊洲市場に卸され、首都圏のすし店や高級料理店で扱われた。能登とり貝は他の産地と比べても身が大きくジューシーで、人気が高いという。
19年度からは養殖場所の海水温、餌の量などを自動観測して育成に最適な水深をスマートフォンで知らせる「安定生産支援システム」を導入し、良質なトリガイを育成できるようになった。
県などは今年度、首都圏の料理人を県内の養殖現場に招いたほか、県内のすし店でフェアを開催するなど販路拡大に取り組んでおり、水産課の担当者は「今後も取り組みを続け、能登とり貝の価値を高めていきたい」と話した。
●稚貝9万個を配布
県水産総合センターは19日、七尾市能登島曲町の防波堤で、七尾湾産の養殖トリガイ「能登とり貝」の稚貝を配布した。21日までに、4地区の漁業者に9万個を配る予定。
稚貝は50個単位で袋詰めされ、漁業者が職員から受け取った。1~2センチの稚貝はいかだからつるしたコンテナで大きさ約8センチになるまで育てられ、来年5~6月に出荷する。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1054498752499647285/origin_1.jpg)