川辺橋橋脚傾き 「洗掘」原因か 岡山県調査、激流で根元えぐる?

 橋脚が傾き通行止めになっている高梁川の川辺橋(総社市清音上中島―倉敷市真備町川辺)について、橋脚が傾いた原因は激流で川底がえぐられる「洗掘(せんくつ)」の可能性が高いことが19日、岡山県への取材で分かった。大雨の影響で川の流れが激しくなり、橋脚の根元の川底部分が削られていたとみられる。

 橋脚の傾きは5月8日に判明し、県が水中ドローン(無人潜水機)を活用して調査を進めていた。県によると、傾いた橋脚の上流側で水深が急に深くなっており、一般的な洗掘の形跡と一致した。川底に埋めた橋脚の基礎より下方の土砂がえぐり取られたとみられる。橋自体の構造や耐久性に問題はなかったとしている。

 洗掘は通常、流れの速い上流域で発生しやすいとされる。川辺橋は下流域に位置するが、県は「水流が速くなりやすい雨量や水位の条件がそろい、その状態が長く続いたのではないか」と推察。前日は上流の高梁市で100ミリを超える雨量を観測しており、大雨の影響についても慎重に調べる。

 川辺橋を巡って県は傾いた橋脚と橋桁の撤去を既に終えており、自転車と歩行者の通行路を確保するため8月中にも仮設の橋を架けると発表。一方で、損傷リスクが高いとみられる県内の橋について、川辺橋と同じく水中部の調査を行う方針を示している。

 国土交通省によると、2020年7月に発生した九州豪雨をはじめ、洗掘が原因とみられる橋脚の傾きや堤防の決壊は各地で相次いでいる。

橋脚が傾いた川辺橋。激流で川底がえぐられ「洗掘」が発生したとみられる=5月8日

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