イルカをなでたら噛まれて負傷、遊泳中に突進され骨折も 福井県内の海水浴場で被害、目撃したらすべきこと【敦賀海保日誌】

実は鋭いイルカの歯

 季節は海水浴シーズン真っ盛り!今年も福井には、県内外から多くの海水浴客がやってきています。そんな中、福井県南部の沿岸、特に水晶浜海水浴場ではイルカの目撃情報や被害情報が多数、敦賀海上保安部に寄せられています。

 イルカは好奇心が旺盛な動物であり、海水浴にやってきたお客さんと遊びたくて、水深の浅いところまでやってきているのでしょうかね。

 既にテレビ等でも、イルカが、海水浴をしている人のすぐそこまで近づいてきて、泳いでいる映像が流れていますよね。あの映像を見て皆さんはどう思いますか。楽しそうに見える人もいると思いますが、うみまるは、「うわー怖い」とおののいています。

 イルカの体重は日本近海にもいるバンドウイルカだと、沿岸にいるものでも200~300Kgと言われています。大型バイクと一緒ですよ。そのようなものが、ぶつかってきたら、バイクに引かれるようなものですよ。

 そして、普通閉じていると、かわいい口元ですが、写真のとおり、餌を捉えるために鋭い歯をもっているので、まともに噛まれたら、大ケガになることは想像がつきますよね。

 実際の被害事例をご紹介しますと・・・

〇遊泳していたら、イルカが近づいてきたので、両手でナデナデ。最初はおとなしかったのですが、足がイルカの体にあたった途端に、体当たりされたので、防御しようと両手を出したところ噛まれ、指に2針縫う怪我をした。 〇遊泳していたら、突然、イルカがやってきて、胸に突進されて、肋骨を折るなどの重傷を負った。

 一見可愛いイルカですが、その中身は「野生」そのもの。一歩間違えると命にかかわる危険がありますので、 注意が必要です。

 さて、イルカ出現もあって、福井県の大人気海水浴場である「水晶浜海水浴場」ですが、イルカの被害が多いことから、7月21日金曜日で海水浴場の閉鎖が検討されているといった一部報道がありました。これは、お客様の安全第一を考えてことでしょうね。少しちがうかもしれませんが、コロナ蔓延防止対策として、海水浴場として開設されなかった時と一緒ですね。

 閉鎖されても海が無くなるわけではないから海水浴はできるって思われるかもしれません。もし仮に海水浴場が閉鎖されたらどうなるのでしょう。遊泳区域を示すブイがなくなり、安心して遊泳できる範囲が判らなくなる。遊泳者を見守っていた監視員がいなくなる。様々な情報を知らせてくれるアナウンス放送がなくなる。怪我などをした場合の救護施設がなくなるといったことになると予想されます。

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 このような状況で遊泳することは、これまで以上にイルカ被害や遊泳中の事故が増すことは、もうお分りですよね。

 そこで、「うみまる」から、皆様に改めてのお願いです。

〇イルカを見たら絶対に手を出さない、海からあがって、決して近付かないようにしましょう!ましてや子供に触らせようなんてもってのほかです!! 〇海水浴は、監視員や救護施設がある等の開設されている海水浴場に行きましょう!

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 夏本番を迎えます。イルカ被害にあわないよう十分気を付けて、悲しい思い出ではなく、楽しい思い出を沢山つくってくださいね!(敦賀海上保安部・うみまる)

 

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