芥川賞は芥川龍之介にちなんだ賞 では、直木賞は? 静岡出身・永井紗耶子さん受賞で注目

静岡県島田市生まれの永井紗耶子さん(46)が静岡県関係者としては、村松友視さん(旧清水市生まれ)以来、41年ぶりに受賞した2023年の直木賞。実はこれは通称で、正式名称は「直木三十五(さんじゅうご)」賞といいます。

作家・芥川龍之介にちなんだ芥川龍之介賞と同じように、直木三十五という小説家で脚本家、映画監督の功績にちなんで付けられた賞の名前で、直木賞はエンターテーメント性が高い作品を書く中堅どころの作家に贈られます。一方、芥川賞は純文学を対象にします。

直木賞を受賞した永井紗耶子さん=7月19日撮影、東京都内

文藝春秋社が創設した賞でした

どちらの賞も文藝春秋の創業者、菊池寛が1935年に創設しました。現在は「文芸の向上顕揚を計ることを目的」として作られた公益財団法人日本文学振興会が運営しています。同振興会は直木賞のほか、芥川龍之介賞、菊池寛賞、大宅壮一ノンフィクション賞、松本清張賞の選考と授賞を行っています。

静岡県内の書店ではPRに熱

同財団の事務所は文藝春秋社内にあるなど、結びつきは強く、同社から出版や同社の雑誌に掲載された作品が受賞する傾向が強いといわれています。ちなみに、今回受賞した永井さんの作品は新潮社、同時に受賞した垣根涼介さんの作品は文藝春秋社から出版されています。

市場規模が年々縮小している出版業界にとって、芥川賞、直木賞、どちらも出版社の売上を大きく左右するシンボリックな賞なことから、特に今年は、永井さんの受賞にあやかろうと静岡県内では各書店の店頭で盛んにセールスが行われることになりそうです。

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