少年と少女のサイキックパワー 地面を動かし、大木を真っ二つに折る 「イノセンツ」本編映像

2023年7月28日より劇場公開される、「わたしは最悪。」でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト監督によるサイキックホラー「イノセンツ」から、本編映像の一部が公開された。

イーダ、アン、ベン、アイシャの4人の少年少女。夏休み中の4人は、大人たちの目が届かない団地の階段や近くの森の中で、サイキック・パワーのテストを繰り返し、その強度を高めて遊んでいた。そんな戯れの中、イーダがベンに言ったふとした冗談に、日頃から年上の子供たちにさげすまれ、家庭環境にも問題を抱えていたベンは憤慨。怨念のこもったサイコキネシスを3人に向け、アンがそれに立ち向かう。ベンとアンの力は、地面を動かし、水たまりを震わせ、とうとう大木を真っ二つに折ってしまう。

「イノセンツ」は、ノルウェー郊外の住宅団地を舞台とした作品。夏休みに友達となった4人の子供たちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい力を試すうちに、奇妙なことが起こりはじめる。

監督を務めたのは、「わたしは最悪。」でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト。ヨアキム・トリアー監督の右腕として、これまで「母の残像」「テルマ」「わたしは最悪。」の脚本をトリアー監督と共同で手がけてきた。「イノセンツ」はフォクト監督の長編二作目で、大友克洋の漫画「童夢」からインスピレーションを受けて作られたという。2021年の第74回カンヌ国際映画祭では「ある視点部門」に正式出品され、2022年のノルウェーのアカデミー賞と称されるアマンダ賞では、監督・撮影・音響・編集の4部門受賞した。

本作を一足先に鑑賞した著名人によるコメントも公開された。コメントは以下の通り。

©Mer Film

【コメント】

■尾崎世界観 (クリープハイプ)
もうやめてくれと思ってもやめてくれない。ずっと子供を怖いと思っていたけれど、やっぱり間違ってなかった。この作品のお陰で、これから心置きなく子供を怖がれる。

■乙一 (小説家)
超能力を真摯に描いた傑作。
子どもたちの無垢な魂が繋がる様は、恐ろしくも美しい。
団地を舞台とするサイキックバトルの描写に胸が熱くなった。

■こがけん(芸人)
オーマイガー!
これは超能力を身につけた子どもたちによる
最低最悪な〝ひと夏の成長ムービー〟なのか!?
夏休みの人もまばらな団地内で親の心配をよそに繰り広げられる子どもだけの超常決戦。
子育ての闇をも抱え込む北欧版『童夢』の、なんと邪悪なことか!

■小島秀夫(ゲームクリエイター)
集合住宅でのイノセンスな子供たちだけの閉ざされた世界。しかし、本作ではありがちな映画と異なり、オトナや警察は助けてはくれない。家族でさえ、最後まで気づきもしない。子供たちだけの静かなる闘い、イノセンスとの訣別。これらをメタ的に描いた成長の物語だ。どうしても大友克洋の傑作漫画「童夢」と重ねてしまうが、本作でエスキル・フォクトは、脚本家だけではなく、監督としても異能者である事が証明された。

■清水崇(映画監督)
これはどういう衝動なの?
世界を、心を見据え、成長していくってどういう事?
丹念に繊細に鋭く紡がれた4つの魂の交流は、僕の期待値を軽く凌駕した。
無垢なる感性が狂気を孕み、痛みが暴走していく――――

■杉山すぴ豊(アメキャラ系ライター)
無邪気さ(イノセンツ)と結びついたパワーが、邪悪(イビル)より恐ろしい事件を招く。
この夏、サイキックの君たちもどう生きるか、超能力スリラーの新たな傑作誕生!

■寺田克也(漫画家)
子供は無垢な存在でもなんでもなく
単に小さな追い詰められた野生動物であるという事を
大友克洋の傑作「童夢」を借りて炙り出した怖い怖い映画。

■ヒグチユウコ(画家)
善悪という私たちの基準外に住んでいる子供達の無邪気さとストレートな感情がセリフより表情で伝わります。
今作はひとことで言うと「ゾッとした」です。
セリフが多すぎて説明にされすぎないところもとても良い。

【作品情報】
イノセンツ
2023年7月28日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
配給:ロングライド
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