「内水氾濫は緩和できても防ぐことはできない。避難行動に注意を」 東北大学災害科学国際研究所 佐藤翔輔准教授

宮城県は大気の状態が不安定になっていて、栗原市築館では1時間に30ミリを超す激しい雨となりました。東北地方では記録的な大雨が続いていて秋田県では先週、内水氾濫も発生しています。こうしたリスクに対し、私たちはどのように備えるべきなのでしょうか。

内水氾濫とは、たくさんの雨に対し下水道の排水が追い付かず冠水や浸水を起こすことです。

秋田県の大雨でも、内水氾濫の発生が指摘されています。

東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授は、内水氾濫はアスファルトなどで地下に水がたまりにくい都市部で発生しやすく、宮城県も例外ではないとしています。

実際に2019年、台風19号に伴う大雨で仙台駅西口周辺が冠水しました。

佐藤翔輔准教授「内水氾濫は何に注意しなければいけないかというと、実は移動、避難行動なんですね。ちょっとした浸水であっても移動はしにくかったりしますし、ましてや車で移動していた場合は浮いてしまってコントロールができなくなってしまう」

仙台市も対策を進めていますが、佐藤准教授は、内水氾濫の発生自体をゼロにするのは難しいといいます。

佐藤翔輔准教授「地球温暖化で、そもそも雨が降る量が増えてるわけですね。(仙台市なども)地下に、水をためられる空間というのを徐々に確保はいただいてますけども、おそらくですけどもそういった自然現象に追いつかない。つまり内水氾濫の発生は緩和はできますけども、防ぐことはできない」

佐藤准教授は、内水氾濫を想定したハザードマップを作成している自治体もあることから、事前に確認することで避難につなげてほしいとしています。

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