【どうする家康】岡田准一「現場では誰も話しかけてくれない」

徳川家康の人生を描く、松本潤主演の大河ドラマ『どうする家康』(NHK)。7月16日に、織田信長役・岡田准一のトークショーが「近江八幡市文化会館」(滋賀県近江八幡市)で開催され、制作統括(CP)の磯智明さん、人物デザイン監修の柘植伊佐夫さんとともに、信長の役作りについて語った。

「信長の格好をしていたら、現場では誰も話しかけてくれなかった」と岡田准一(7月16日・滋賀県近江八幡市)

北は北海道から南は九州まで、約1000人の観客が集まった同イベント。岡田が『どう家』関連のトークショーに出るのは初で、しかも次週で退場するため「これが最後」(磯氏)という、大変レアな機会になった。

「この前もお子さまに『信長さん、プライベートなところすみません』と声をかけていただきました」と、幅広い世代からの反響を語る岡田。信長を演じる上でテーマにしたのは「圧をかける」ことだったそう。

「家康にとって信長は兄のようで、師匠のようで、壁でもある。さらに『この人は急ぎすぎて(天下取りは)無理だった』と感じさせなきゃいけないので、すごく圧を出すことを注意してやっていました」と説明。

同時に、「下手したら(家康への)執着にも見えるようなことを意識していましたし、悲しさみたいなものを感じさせることも、すごく大事にしていました」と、計算された役作りを語る。

もうひとつこだわったのは、ビジュアル面において信長の「西洋かぶれ」というイメージを覆すこと。実は日本文化を尊重していたという面を強調するために、柘植さんと「結構バトルしていました(笑)」というほど、とことん話し合ったという。

「信長は、西洋の格好の実用的な所は取り入れるけど、したくてしていた人じゃないというイメージが、僕にはあります。なので『袴だけは着させてくれ』とお願いしました。袴は日本人の身体の使い方のサポーターみたいな要素があるし、日本の文化を捨てていないということで、上は(西洋風に)変えても、袴は着続けてました」と岡田のアイディアが生きた点を明かした。

そうしてできあがった岡田版信長公だが、怖いほどの迫力のあまり「信長の格好をしていたら、現場では誰も話しかけてくれなかったです。磯さんなんか、全然目も合わせてくれない(笑)」という裏話を暴露。それを受けて磯CPは、「怖いんですもん(笑)。本当に斬られるかどうかわからないような感じでしたから」と打ち明けた。

トークショーの終わりに会場と写真を撮った岡田准一ら(7月16日・滋賀県近江八幡市)

イベント終了後、客席をバックにした記念撮影で「楽しそうにね、近江の白兎たち!」と呼びかけ、客席からはライブ並みの歓声が上がる一幕も。今回のトークの模様は、7月22日・朝10時5分(関西地方)と23日・昼1時50分(全国)にNHK総合で放送予定。岡田登場最後の回となる第28回『本能寺の変』は、NHK総合で日曜・夜8時、BSプレミアムは夕方6時、BS4Kは昼12時15分から放送される。

取材・文・写真/吉永美和子

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