ロシア、穀物拠点を集中攻撃 ウクライナ、国連に船団護衛要請

ウクライナ南部オデッサ州で、ロシアの攻撃により発生した火災の消火活動を行う消防士=20日(Pavlo Petrov/ウクライナ非常事態庁提供・AP=共同)

 【キーウ共同】ウクライナ産の穀物輸出合意を離脱したロシアは20日未明、穀物の積み出し港がある南部オデッサ州を3日連続で攻撃した。ロシア国防省は19日、黒海を通じた全船舶のウクライナ入港を認めない立場を表明。攻撃をちらつかせ、再び黒海を封鎖した。19日のシカゴ穀物市場では供給減への懸念を受け小麦相場が急騰した。

 ウクライナは国連に貨物船団の護衛を求めるなど、穀物輸出の継続を模索する構え。米国はロシアによる民間船舶への攻撃や、機雷敷設の可能性があるとして警戒を強めた。

 ウクライナ国防省は20日、黒海経由でロシアやロシア支配地域の港に向かう全ての船舶は21日から軍事関連物資を積んでいるとみなすと発表。ロシアの船舶は攻撃対象との見方を示した。ロシアへの対抗措置。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は19日の動画声明で、攻撃を受けた港湾施設について「アジアやアフリカに届けられるはずの100万トンの食糧が保管されていた。最も被害が大きかった施設には、中国向けの6万トンの農産物があった。世界中の誰もが影響を受けている」と述べた。

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