「娘に1冊、私に1冊…なくなっちゃうと困る」1時間で売り切れに!永井紗耶子さん直木賞受賞に生まれ故郷沸く いとこも歓喜「さやちゃんらしく書き続けて」

静岡県内出身作家が快挙です。島田市生まれの永井紗耶子さんの時代小説『木挽町のあだ討ち』が直木賞に選ばれました。地元は喜びの声であふれています。

<直木賞作家 永井紗耶子さん>

「恐悦至極ってこういうやつか。恐れと喜び極まってくるってこういう感じかと思って」

7月19日に行われた直木賞と芥川賞の選考会。第169回直木賞に島田市出身、永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』が選ばれました。『木挽町のあだ討ち』は、江戸を舞台にしたミステリー仕立ての小説です。永井さんの地元、島田市の書店には開店直後から受賞作品を求める人の姿がありました。

<開店直後に来た客>

Q.2冊お買い上げ?

「娘に1冊、私に1冊。とにかくなくなっちゃうと困るから1冊持ってるけど、もう1冊自分用に飾っておきたい」

<客>

「(新聞の)1面に出たから(来た)。久しぶりに笑顔が出ましたよ。朝とりあえず本屋さん行ってみようかなと思って」

『木挽町のあだ討ち』は次々とレジに運ばれて…。

<篠原大和記者>

「午前10時、島田市の書店です。開店から1時間経ちましたが、8冊あった『木挽町のあだ討ち』すべて売れました」

こちらの店は、地元の本屋として永井さんの作品を応援し続けてきました。

<焼津谷島屋アピタ島田店 川口真有美店長>

「こちらは永井先生が約4年前に店に来たときに、いただいたサインです。直木賞受賞は本当にうれしいです。もっとみなさんに知っていただきたい」

20日は永井さんの叔母・田中直子さんが店を訪れました。

<永井さんの叔母・田中直子さん>

「作家デビューして初めからここで応援していただいた感謝の気持ちで、受賞できましたというお礼で来た。独自のポップを作っていただいたり、たくさん積んで、わかるように目立つところに並べていただいた」

永井さんのいとこ・渡辺裕子さんです。

<永井さんのいとこ・渡辺裕子さん>

「今年2月にさやちゃんが静岡に来たときに撮った写真です。このときは『木挽町のあだ討ち』の感想を本人に伝えました」

幼いころから永井さんとよく遊んだ渡辺さん。永井さんは好奇心と探求心が人一倍強かったといいます。

<永井さんのいとこ・渡辺裕子さん>

「小学校低学年のころ、島田の祖父母の家で、年末必ず百人一首の坊主めくりをやるんですが、さやちゃんの番になると坊主の人物像の説明が入るので、なかなか坊主めくりが進まない。さやちゃんらしく、ずっと好きな小説を書き続けてほしいと思います」

受賞後の会見で支えてくれた地元への感謝を話した永井さん。多くの人の後押しが受賞の力になったようです。

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