なでしこ新10番、長野風花に独占インタビュー!リヴァプールでの日々と初めてのワールドカップ 「思い切って悔いなくプレーしたい」

本日開幕した、FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド2023。

サッカー女子日本代表のなでしこジャパンはグループステージにて、22日(土)にザンビア、26日(水)にコスタリカ、そして31日(月)にスペインと対戦する。

先日の壮行試合では同じく本大会に出場するパナマを5-0と一蹴。3-4-2-1の新システムも浸透しつつあるなか、チームに欠かせない存在となっているのが、新たに「10番」を背負うことになったMF長野風花だ。

パナマ戦では、中盤で組んだ長谷川唯の攻撃参加をサポートするとともに攻守でボールを落ちつかせ、自分たちのペースを作り出した。

所属のリヴァプールでもレギュラーとしてプレーする24歳は、紛れもなく今大会のなでしこジャパンにおけるキープレーヤーの一人だ。

そんな長野風花に、Qolyは大会前、単独インタビューを実施!

イングランドのリヴァプールへ加入してからの半年、彼女がどんな日々を過ごし、初のワールドカップに向けて準備をしてきたのか聞いた。

(取材日:2023年6月18日)

イングランドで感じた熱、サラーから受けた刺激

――今年1月にリヴァプールへ加入し、半年プレーをされました。どんなことを感じましたか?

新しい環境で、アメリカからイングランドに行って、やっぱりサッカーのスタイルは全然違いました。国民性とかもすごく違った中で、本当に色々なことが経験できて、すごく楽しかった半年でした。

――初めてのヨーロッパでのプレー。印象的に残っていることは?

本当にすごくサッカーが人気の国なので、男子の試合を見に行ってもすごい盛り上がりですし、私たちの女子の試合でもすごく熱いファンの方々が多かったです。やっぱりサッカーに対する熱はまったく違うものを感じました。

――リヴァプールの男子チームの試合を観ているファンが女子のほうにも来て応援する感じですか?

男子みたいに何万人とかにはなかなか届かないですけど、それでも一人一人の熱がすごいです。

――イングランドは昨年の女子EUROで初優勝するなど、すごくレベルが上がっている国の一つです。スーパーリーグのレベルはどう感じましたか?

すごく能力が高い選手やすごく上手い選手が各国から集まってきていて、どのチームと対戦するにしてもそういう選手がFWやサイドにいます。すごくレベルの高いリーグだと思います。

――その中で、中盤としてリーグで11試合に出場。手応えを感じた部分は?

私みたいなタイプはあまりいないというか、リヴァプールにはいなかったので、守備と攻撃を繋ぐ役目としてはできたのかなと思います。

――逆に、ここはもっと上げていかなければと感じた部分はどこでしょう?

それはずっとなんですけど、やっぱり速い選手だったり、強い選手…本当に男性のようなフィジカルをしている選手もいるので、そういった中で当たり負けせず、ボールを奪い取る強さはもっと上げないといけないと思っています。

――男子チームとの交流はありました?

選手との交流はなくて。ただ、リヴァプールの男子チームには日本人のトレーナーの方がいるので、その方とはよくご飯に行ったりケアをしてもらったりしていました。

――そういう方がいるとやはり心強かったりしますか?

はい、だいぶ。日本語を話せるだけでも全然違うので。

――長野選手は元スペイン代表のシャビ選手が昔から好きだったとのことですが、彼が監督として率いるバルセロナは見ていたりします?

今はリヴァプールとかのほうがよく見ます。

――いま気になる選手は?

真似したいとかでは全然ないんですけど、リヴァプールの試合を何回か見に行って、モハメド・サラーはちょっと何か違うなと思いました。

――具体的にどのあたりが?

自分で解決できちゃいますし、その日本人のトレーナーの方がよくサラーを見ているらしいんですけど、毎朝必ず「俺の体どう?」とか「この筋肉張ってる?」と、細かくチェックしてもらっているらしくて。

それによって筋トレも変えているといったことを聞いて、やっぱりそういう選手はサッカーに取り組む姿勢とかも凄いんだなと思い、さらに「あぁ…すごいな」となりました。

「とにかくチャレンジをして、思い切って悔いなく」

――いよいよワールドカップが迫ってきました。ワールドカップで今のなでしこジャパンを初めて見る方もいると思います。ご自身のどこに注目してほしいですか?

私はそんなに派手なプレーをするわけではないのでパッと分かりやすい部分というのはなかなかないんですけど、90分を通して良いポジションを取り続け、チャンスがあったらというか、私がチャンスを作り出せるようにしたいと思います。

――やっぱり“強いチーム”というのは、2011年のワールドカップで優勝したなでしこジャパンを見ても、ボランチにすごく良い選手がいます。長野選手自身は自分の役割をどのように考えてプレーされていますか?

守備の面では、運動量を持ってスライドしたり前に行ったり、後ろに下がったりといったことをすごく求められています。攻撃の面でもボランチ2人ですけど、どちらかはしっかりチャンスを作れるような高いポジションをとって、後ろはしっかりとリスク管理します。

本当にチームの中心のポジションなので、ゲームをコントロールできるように、自分がそういうプレーをできるように意識したいです。

――ちなみに、今のなでしこの中で特に仲が良い選手は?

本当にみんなと仲いいんですけど。特にといえば(南)萌華と、ハナ…高橋はなかなと思っています。

――南萌華選手はイタリアのローマで活躍されています。南選手の選手としての強みは?

萌華はやっぱりディフェンスとして安心感あるし、強いです。声…コーチングとかもすごく分かりやすくて常にしてくれるので、後ろにいてくれるだけで助かっています。

――長野選手はいま、adidasの「コパ」のスパイクを履いています。なぜ「コパ」を選ばれたとか聞いても大丈夫ですか?

足に合うのと、履き心地が一番いいので「コパ」を履いています。

――天然皮革のほうが好みとかはあります?

そんなに繊細な足ではないので(笑)。靴擦れしなければ何でも履けるんですけど、今だと「コパ」がいいかなという感じです。

――ワールドカップ本大会では、グループステージの3戦目でスペイン代表と対戦します。昨年も親善試合で対戦していますが(※アウェイのセビージャで対戦し、0-1敗戦)、スペイン戦はどのあたりが試合の鍵になると考えていますか?

スペインもポゼッションでボールをよく繋いでゴールに向かってくるチームです。まずはどちらがボールを持つかになると思うんですけど、我慢して、とにかく失点をしない。

絶対相手にも隙はあると思うので、そういうチャンスを逃さないように、3戦目ですけどしっかり勝ち切れるようにしていきたいと思います。

――最後に、今大会は自身初めてのワールドカップになります。どういうことを残したいというか、長野風花としてどういうワールドカップにしたいですか?

本当にとにかく悔いのないように。やっぱり相手もすごく良いチームですし、強いチームなので、簡単に勝てる相手でないことは間違いありません。

とにかくチャレンジをして、思い切って悔いなくプレーしたいと思います。

女子ワールドカップが開幕した本日、adidasより新しいブランドフィルム『Play until they can’t look away “一瞬たりとも、目が離せない。” 』が公開された。

ワールドカップの開催を記念して展開する新しいキャンペーンを通して、女子サッカーに対する注目を集め、出場するプレーヤーはもちろんのこと、次世代のプレーヤーたちの可能性を創造し、夢やインスピレーションを与えたいという、adidasの想いが込められたブランドフィルムになっている。

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映像の中でも、サッカー大好きオーラを存分に放っている長野風花。

彼女のプレーにも大注目のなでしこジャパンは、今週末、日本時間の22日(土)16時からザンビアとの初戦に臨む。

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