元棋士を殺人未遂で逮捕 元妻らをくわで殴り殺害しようとした疑い

大津署

 元妻らの頭をくわで殴って殺害しようとしたとして、滋賀県警大津署は20日、殺人未遂と住居侵入の疑いで、将棋の元棋士で住所不詳、橋本崇載(たかのり)容疑者(40)を逮捕した。調べに対し黙秘しているという。

 逮捕容疑は20日午前7時ごろ、大津市内にある元妻(33)の父親(68)の自宅に侵入し、元妻と父親の頭などをくわで殴りつけて殺害しようとした疑い。2人はすり傷などの軽傷。

 同署によると、家には2人と、元妻の息子(4)が住んでいた。橋本容疑者は施錠していない窓から侵入し、父親と元妻を相次いで襲撃したという。

 父親がくわを取り上げて抵抗している間に元妻が息子を連れて逃げ、110番した。橋本容疑者も頭部から出血し、搬送されたという。同署が経緯や動機などを調べている。

 橋本容疑者は昨年12月と今年1月、SNS(交流サイト)上で元妻を中傷する投稿をしたとして滋賀県警に逮捕され、大津地裁は6月、名誉毀損(きそん)罪の成立を認め、懲役1年6月、執行猶予4年の判決を言い渡した。判決によると、同容疑者は自身のツイッターに元妻や家族の写真を載せ「仕事と子どもを奪い取り、絶対に許せない」と投稿。さらに「僕の全てをつぶした殺人鬼」などと投稿した。

 橋本容疑者は現役時代は名人挑戦者を決める順位戦最上位のA級に1期在籍したが、昨年11月に日本将棋連盟を退会。引退後は動画配信で注目を集めていた。

 

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