石川のガソリン175円超 08年9月以来の高値 給油所、車での旅行控え懸念

レギュラーガソリン価格が177円を示す看板=金沢市内の給油所

  ●政府の抑制補助縮小で

 石川県内のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均小売価格(18日時点)が175円40銭となった。前週と比べて60銭高く、175円を超えるのは2008年9月以来となる。政府が価格抑制のための補助を段階的に縮小していることが要因で、上昇傾向は続くとみられる。夏の行楽シーズンを前に、給油所運営業者からは自動車での旅行需要への影響を懸念する声が聞かれた。

 20日、金沢市内のガソリンスタンドでは「レギュラー177円」、「ハイオク187円」の看板が掲げられた。男性店長は「今のところ、利用客からクレームはないが、高値を抑えるためにも補助の縮小を延期してほしい」と切実に語る。

 経済産業省が20日発表した調査結果によると、石川県内の値上がりは8週連続で、174円ちょうどの全国平均を上回った。

 政府は6月以降、石油元売り会社に支給している補助を段階的に縮小しており、現時点では9月末で終了する予定だ。石川県内でガソリンスタンドを運営する三谷サービスエンジン(野々市市)の担当者は「補助金の恩恵は大きいが、給油控えの動きは続きそうだ」と話し、安く利用できる会員カードの特典などを積極的に紹介していくとした。

 ガソリン価格の高騰は主要産油国が追加減産により、原油相場の下支えに動いていることも影響している。石油情報センターの担当者は「原油相場の上昇や補助の縮小で来週も値上がりを見込んでいる」と述べた。

 食品や日用品が値上がりして家計負担が増す中、ガソリン価格の上昇が続けば、夏休みの旅行や消費を控える動きにつながる可能性がある。給油所の店員も「コロナの5類移行で活発になった外出意欲にブレーキがかかってしまう」と懸念した。

  ●富山は175円10銭

 経産省の調査によると、富山県は前週比90銭高い175円10銭で、昨年6月以来の高値となった。都道府県別では41都道府県で値上がり、5県で値下がりし、1県は横ばいだった。最も高いのは長野県の183円60銭で、岩手県が最も安い168円80銭だった。

 ハイオクガソリンの全国平均は70銭高い184円80銭、軽油は60銭高い153円60銭。灯油は18リットル(一般的なタンク1個分)当たり7円上昇し、2060円だった。レギュラーガソリンを含め、いずれも9週連続の値上がりとなった。

© 株式会社北國新聞社