膨れ上がるF1カレンダーについて、チーム代表らの意見は「24戦は限界」「最適化の問題」と分かれる

 24戦からなる2024年のカレンダーが最近発表された。冬季テストは2月に予定されており、アブダビでの最終戦は12月になる。1月は2024年で唯一コース上での活動がない月だ。

 F1人気がこれまで以上に高まっているのは間違いないが、2024年カレンダーは“度を越している”という疑問はないだろうか? すべてのレースにスタッフを帯同するチームにとって、“限界点”と燃え尽き症候群のリスクが近づいているという感触がある。

「24戦については、多くの議論が行われてきた」と、アストンマーティンF1のチーム代表マイク・クラックは述べている。

「ダブルヘッダーもトリプルヘッダーもある。全体的に、我々ができることと受け入れられることの限界に迫っているのではないかと考えている。だが、これをスタッフにとって持続可能なものにする道を見つけることは、チーム次第だと思う。すべてのチームがそうしているだろう。議論し、解決策を見つけようとしている」

「しかし繰り返しになるが、これはF1の強さを示しているし、全員が賛成したことだ。そして今後は、誰にとっても持続可能なやり方を実現する方法を見つけなければならない」

2023年F1第11戦イギリスGP FIA会見 左からジェームス・ボウルズ代表(ウイリアムズ)、マイク・クラック代表(アストンマーティン)、ザク・ブラウン(マクラーレン・レーシングCEO)

 ウイリアムズF1のチーム代表であるジェイムズ・ボウルズは、「これは最適化の問題だ」と語った。

「同じスタッフを投入し続けることができないのは明らかだ。我々はレース組織の運営について、ある程度まで再考しなければならない」

「しかしレースシリーズのなかには年間32回かそれ以上の週末に開催するものもある。これは単に最適化の問題だ。パフォーマンスを続けながら、誰もが持続できる生活を実現するにはどうすればいいだろう?」

 マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、次のように述べている。

「24戦は限界だと思う。だがおそらく30戦のグランプリに対する需要がある。私は24戦のグランプリを見たい。しかし、より多くの市場を含むために、20戦は固定のグランプリとし、8戦はローテーション制にして、1年に28の市場で24戦を開催することもできるかもしれない。それはカレンダーを現状のまま維持しつつ、成長もさせる素晴らしい方法だと思う」

「そして今年は、ロジスティクスの面でスケジュールが改善されたのは間違いない。これは簡単なことではない。なぜなら各地域には特定の日にちに何かが必要な理由があるからだ。他のイベントや祝日などといったことだ。これは我々全員にとっての最優先事項であり、今後も改善され続けていくと確信している」

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