かつて浦和レッズや日本代表で活躍した名ストライカーの福田正博氏が、今回前園真聖のYoutubeチャンネル「おじさんだけど、遊んでもいいですか？」に出演した。
例によって日本代表での歴代ベストイレブンを選ぶ企画が行われ、福田正博はツートップの一角として中田英寿をセレクトした。
日本人選手が欧州に進出する流れを作ったパイオニアである中田英寿について、福田正博は「残念だった」と語っていた。
福田「俺はメディアとしての付き合いが長いけど、彼は独特の価値観や賢さを持っている。賛否両論はあるけど、彼は本当に頭がいいと思っている。できればもっと違う形で日本のサッカーに携わってほしかった。
日本のサッカーで一番頭がいい子なんじゃないかと思うけど、だから色々なことがわかりすぎちゃっている。だからメディアに対してもああなった。
メディアの人は（中田英寿が）大嫌いだと思うよ。俺はその現場を何度も見たから。凍りつくような記者会見を。そして俺は何度もその現場を助けてきた（笑）。
俺が言えばちょっとは答えてくれるから。同じ業界にいた先輩ということもあってか、ある程度リスペクトしてくれた。
ちょっと時代が早かったな。あまりにも高いところを見すぎてしまっていて、そこに追いつきたいという思いが、他の選手との乖離を産んだかな。
今の時代だったら少し先に行っているだけで普通だったのかもしれない。なんでもそうなんだけど、時代というのは半歩だけ前に行かないといけない。1歩前に進むと変人になってしまうんだよ。
流行もそうだけど、1歩前に進むと社会から受け入れられない。ヒデは変人になっちゃった。1歩も2歩も前に進んでいた。
そういう意味では本当に賢かったんだよ。だけど半歩前のところで皆に接することができていたら良かった。誰も受け入れてくれなくなっちゃった。
それを気にしていないのもヒデの良さだと思う。誰にも媚びずに自分の生き方をしている。そのかっこよさがある。
ただ、その一方で彼の能力を最大限に出すためには少し下がるということができていたらね。
彼が日本人の価値を上げたことは間違いない。三笘くんや久保くんどころの衝撃ではなかったからね。日本代表で帰ってきたときのファッションも衝撃でしたよ。『あんなにマフラー長くなくていいんじゃない？』って。引きずって帰ってきた。
俺は目標設定がすごく重要だと思う。ヒデはそれを努力しても絶対にいけない場所に置いてしまった。それを落としてあげたら、あのころの日本代表はまた違ったチームになったと思う。
ヒデは世界と戦うために目標設定を高めたけど、それでチームがまとまらないのであれば、組織としての力は上がらない」
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福田正博は2006年のワールドカップ中に中田英寿のインタビューを行ったが、生放送前にはかなりチームに対して厳しいコメントをしていたとのこと。そして中継中にはネガティブなことを一切言わなかったという。
ヒデとカズに関しては「社会に適合せずに生きていける一握りの人間」と評価し、そのスタイルは特別で幸せなものだと話していた。
