伝統の小城山挽祇園祭、本番心待ち 須賀神社周辺で4年ぶり 7月22日から

太鼓の音に合わせ、伝統の囃子(はやし)の稽古をする子どもたち=小城市小城町の下町公民館

 小京都・小城の夏の風物詩「小城山挽(やまひき)祇園祭」が22、23の両日、小城市小城町の須賀神社周辺で開かれる。700年以上の歴史を誇る祭りは、新型コロナウイルス禍を経て4年ぶりの開催。山笠、山鉾(やまほこ)の準備も進み、市民は本番を心待ちにしている。

 祇園祭の起源は、鎌倉時代後期に小城の町を治めた千葉胤貞(たねさだ)が戦の訓練を兼ねた山挽き神事を行ったことが始まりとされる。かつては「見事みるなら博多祇園、人間みるなら小城祇園」といわれるほど見物客でにぎわったという。

 22日の前夜祭では午後6時半から横町の子どもたちが浮立を奉納。本祭の23日は午前10時に下町交差点で出陣式を行い、趣向を凝らした上町と中町の山笠、下町の山鉾が須賀神社まで勇壮に練り歩く。午後5時からは下り山が出発する。

 コロナ禍による3年間のブランクと近年の担い手不足で各町とも準備に四苦八苦した。下町区長で山鉾製作に奔走した安永正さん(63)は「祭りに対する住民の考えの変化も感じるが、祇園祭は町の勢いを表すシンボル。多くの人に祭りを見てほしい」と話す。(市原康史)

© 株式会社佐賀新聞社