猫たちの体調不良~第76回~

猫たちの体調不良~第76回~

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里親募集型の保護猫カフェをご存知ですか? そこは、様々な事情で保護された猫たちが『ずっとの家族』との出会いを待っている場所。 東京の下町、人形町にある「保護猫カフェたまゆら」 ここには伊豆諸島の御蔵島から来た元ノネコたちが暮らしています。 今回は猫の集団胃腸炎のお話しです。

先日、たまゆらは約1週間ほど休業していました。
原因はねこたちの体調不良。
たまゆらには大人の猫しかおらず、通常誰かが風邪をひいてしまっても蔓延することはないのですが、今回は20匹中15匹が体調を崩すという前代未聞の事態になっておりました。

最初に様子がおかしいなとなったのはショウくんでした。
頻繁にクシャミをするようになり、鼻水も出ているということでかかりつけの病院を受診。
診断はアレルギー性鼻炎で抗アレルギー剤を服用することになりました。

それから数日後、クシャミは治まったのですが今度は食欲不振に。
時期を同じくしてスヤコちゃんの食欲も落ち、サトルくんとムイチロウくんがクシャミをし始め、アッシュが嘔吐するという状況に。
これはマズイなと思う間もなく、アッシュの体調が急変してその日はお店に泊まり込みました。

翌朝アッシュを朝イチで大きな病院へ連れていき、アッシュはそのまま入院。
昨日から調子の悪い子たちをかかりつけで診ていただきホッとしたのもつかの間、夜にはさらに3ニャンが、そして翌朝にはバックルームの子も含めてほぼ全滅状態になっていました。

この時点で金曜日から日曜日の3日間、お店を休業することを決めました。
このときはまだ3日あれば回復してくれるだろうと思っていたのです。
ところが、一旦良くなったように見える子も翌日にはまたしんどそうに、と波があってなかなか思うように回復してくれません。
おそらくちょっと食欲が戻って食べたことでまた胃腸に負担がかかって気持ち悪くなる、を繰り返していたのでしょう。
日曜日朝の時点でこれは明日の営業再開は難しいと判断し、火曜日の定休日も含めてもう2日お休みをいただくことにしました。

一方入院していたアッシュですが、なんとか月曜日に退院出来ました。
木曜日の朝から月曜日の昼まででお会計は24万円。
24時間スタッフのいる病院なので通常よりは高額になりますが、これから猫さんを迎える方、まだ持病のない猫さんと暮らしている方には、なにかあったらこれくらい必要になることもあるというご参考になれば幸いです。

余談ですが、3年半前から糖尿を患っているアッシュ、先日の検査で拘束型心筋症の診断を受けました。
糖尿病と心筋症のお薬の影響で脱水しやすく、脱水してしまうと心臓に負担がかかるということで皮下点滴が出来ず静脈点滴になるため、その度に入院となります。
猫を飼育するのにご飯代や砂代で月々いくらかかるかを細かに聞かれることがありますが、それよりなにより何かあったら医療費が一気にかかってくるということは知っておいていただきたいなと思います。

集団猫風邪から6日後。
昨日までの様子が嘘のように皆んなが復活してきました。
まだ本調子でない部分もありましたが、全くご飯を食べられないということはなく嘔吐する子もいません。
これならもう大丈夫、ということでようやく営業再開できました。

今回全く体調を崩さず無事だったのは、トリオくん、ウソップくん、かりんちゃん、ギザくん、ヒナツルちゃん。
若い猫たちがバタバタと倒れていく中、シニアのギザくんとヒナツルちゃんが無事だったのは本当に驚きでした。

先生に伺ったところ、今回のような胃腸炎ウイスルなどはお外に出る猫でない限り人が運んできていると考えていいとのこと。
たまゆらでもお外の猫さんに触れた方や譲渡会、他の動物カフェに行かれた方の同日中のご利用はご遠慮いただいていますが、お家に猫さんがいる方はたとえ他所の猫さんを触っていなくても、帰宅後お家の猫さんに挨拶する前に手洗いや服の着替えを徹底されると安心です。
また、たまゆらにいらっしゃる際は手洗いと消毒のご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

文・今場奈々子(たまゆら店長)

保護猫カフェたまゆら

営業時間
※ホームページにてご確認ください

平日 13時~16時 17時~20時
土日祝 13時~17時(最終受付はクローズ40分前)
定休日:毎週火曜

東京都中央区日本橋人形町2-7-2 大江戸アクセス3階
TEL:070-8509-5639

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