初出場フィリピン、元WEリーガー先発もスイスに力負け…初ゴールも幻に【2023女子W杯】

[写真:Getty Images]

21日、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)グループAのフィリピン女子代表vsスイス女子代表がダニーデン・スタジアムで行われ、0-2でスイスが勝利を収めた。

2022年のAFC女子アジアカップでベスト4に入り、男女通じてのW杯初出場を決めたフィリピン。一方、ヨーロッパ予選グループステージではわずか1敗も、イタリア女子代表の後塵を拝して欧州プレーオフから2大会ぶり2度目の切符を掴んだスイス。

FIFAランキング46位のフィリピンはWEリーグでのプレー経験があるクインリー・クエザダやサリナ・ボールデンが先発し、オーソドックスな[4-4-2]でスタート。序盤から同20位のスイスに対して臆することなく互角の戦いを披露し、16分には最終ラインからロングフィードを送ると、クエザダとスイスDFノエル・マリッツが被って流れ、拾ったカトリーナ・ギロウがGKをかわしてネットを揺らす。

だが、パス出しの瞬間わずかにオフサイドポジションであったことが確認され、フィリピンにとってのW杯初ゴールは幻となった。

対して、2025年に自国での女子ユーロ開催を控えるスイスは[4-3-3]を敷き、冷や汗をかいた後は徐々にゲームを支配。ジェラルディン・ロイトラーやエースのアナ=マリア・クロノゴルチェビッチがシュートシーンを作り、徐々に得点の気配を強めると、前半終了間際に試合を動かす。

フィリピンゴール前での混戦からルーズになったボールへクンバ・ソウとジェシカ・カワートがアプローチすると、若干遅れたカワートがソウの足を蹴る形に。一度は流されたものの、VARによる進言とオンフィールドレビューの結果、スイスにPKが与えられると、これを重鎮ロマーナ・バッハマンが落ち着いて決めた。

リードを奪ったスイスは後半も主導権を握ると、64分に追加点。左サイドのクロスからクロノゴルチェビッチ、ソウと至近距離から立て続けにシュートを放ち、GKの好セーブに阻まれるも、最後はセライナ・ピウベルが押し込んだ。

点差を広げたスイスはフィリピンに反撃を許さず、そのまま逃げ切って白星発進。一方のフィリピンは勇敢に戦い、観衆の大声援を味方につけるも及ばず。W杯初勝利や初勝ち点、初ゴールは次戦以降にお預けとなった。

フィリピン女子代表 0-2 スイス女子代表

【スイス】

ロマーナ・バッハマン(前45)[PK]

セライナ・ピウベル(後19)

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