1日に約595万人が利用する地下鉄 都市機能をつなぐ大動脈を災害から守る東京メトロの取り組みとは

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」で、私たちの暮らしに欠かせない地下鉄の災害への取組を紹介しました。

◆TOKYO防災 A to Z #15 東京メトロ

防災に役立つ情報を紹介する特別企画「TOKYO防災 A to Z」。
今回は、私たちの暮らしに欠かせない地下鉄の災害への取組を紹介します。

美しい街並みと歴史ある文化が共存する東京。その発展の裏には、過去の災害によって培われた教訓を活かした街づくりがあります。
そして、その歩みは未来へ。
備えよう、今も、100年先も、安心と安全を守るために。
頻発する自然災害に備え、東京都が想定する五つの危機。
今回のテーマは、「地震・風水害への備え」です。

1日に約595万人が利用するという東京メトロ。
都内に9路線、180の駅が存在し、都市機能をつなぐ大動脈として活躍しています。
最大で30m以上の深さを走る地下鉄。
近年、首都直下地震が懸念される中、東京メトロはどんな対策を取っているのでしょうか?

(東京メトロ安全・技術部 木暮敏昭次長)「東京メトロ構内の柱は、過去の大きな地震を踏まえて耐震補強を行っています。震度7クラスの地震がきても倒壊したりしないよう、鉄筋コンクリートの柱に金属のパネルを巻いて補強しています」

阪神・淡路大震災で地下鉄のホームやトンネルが崩壊したことをきっかけに、東京メトロでも耐震補強が進められています。
他にも、震災への対策として、東京メトロが管理するエレベーター内には、飲料水や簡易トイレなどの非常用品を備えています。
そして、走行中の電車への対策も。

(東京メトロ安全・技術部 木暮敏昭次長)「大きな地震に備えて、電車を速やかに止める『地震警報装置』という仕組みを備えています。震度4以上の地震が発生した場合には、電車に無線が流れて乗務員がブレーキをかけて緊急停止をするという仕組みです。さらに、震度5弱以上の揺れがくると予測された場合には、強制的に停止信号にして、できるだけ早く電車を止められる仕組みにもなっています」

震度4以上の地震発生の際には、脱線しないよう、電車を停止。車両と線路上を点検して、安全を確認します。

(東京メトロ安全・技術部 木暮敏昭次長)「東京メトロでは、沿線に36カ所のエリア地震計を設置しています。東京メトロの沿線全て全て同じ震度で揺れるわけではないので、そのエリア地震計が実際に観測した震度5弱以上の区間は歩いて点検、震度4の区間は回送電車で点検と、方法を分けることによって点検時間の短縮を図っています」

震度に応じた点検方法で、早期の運行再開を可能に。
都市機能が低下しないよう備えています。
さらに、洪水ハザードマップの浸水想定を考慮した風水害への対策も行っています。
そのひとつが…。

(東京メトロ安全・技術部 木暮敏昭次長)「東京メトロ構内への出入り口に防水扉を設置し、洪水の水を完全にふさぐ構造です。出入口の上部に折りたたんだかたちで格納されていて、非常時には、その扉を上から下に向けて閉め、完全に出入り口を塞ぐことができます」

想定する浸水の深さに応じて、各駅に防水扉などを設置。
構内に水が入らないよう対策しています。
都民が安心して暮らせる街へ、日々、対策が進められています。

都では、100年先も安心な都市を目指して、「TOKYO強靭化プロジェクト」を策定しています。
詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。

関連リンク
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/kyoujinkaproject/

番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:杉浦みずき、白戸ゆめの
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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