金融庁、ビッグモーターを調査 保険代理店業務、損保が出向も

 金融庁が中古車販売大手ビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題で、同社の保険代理店としての業務実態を調査していることが21日、分かった。不正が横行した期間に同社に出向者を出していた損害保険大手の責任の有無も焦点となる。

 鈴木俊一金融担当相は同日の閣議後記者会見で、悪質な問題があれば保険業法に基づき対応すると表明した。

 ビッグモーターは保険代理店として関東財務局に登録し、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の契約手続きを担っている。損保業界の関係者によると、出向者を出していた損保大手は3社あり、それぞれ契約者が事故にあった際に優良な修理工場としてビッグモーターを紹介。ビッグモーターは持ち込まれた車両台数に応じて自賠責保険の契約を差配していた。

 出向者を出していたのは損害保険ジャパンと東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険。3社は事故車両をビッグモーターに回すほど保険の契約件数が増える構図だった。ビッグモーターは車両を故意に傷つけて修理代を水増しし、保険金を過大請求していた。

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