らんまん第16週振りかえり・コオロギラン

草花をこよなく愛する植物学者が、天真爛漫に世を駆け抜ける姿を描く連続テレビ小説『らんまん』(NHK朝ドラ)。7月22日は、「コオロギラン」と題する第16週(7月17日〜21日放送)を振りかえる。

お腹に手を当てて微笑む寿恵子(浜辺美波)と、見つめる万太郎(神木隆之介)(C)NHK

主人公・万太郎(神木隆之介)は、植物学教室の講師・大窪(今野浩喜)との共同研究で新種の植物「ヤマトグサ」を発表。さらに自作の図譜を発刊したことで植物学学会に認められはじめ、植物学者としてまさに順風満帆の日々を送っていた。

一方、田邊教授(要潤)が発表の準備をしていた「トガクシソウ」は、ケンブリッジ大学に留学中の植物学者・伊藤孝光(落合モトキ)によって、新種「ランザニア」としてイギリスの雑誌で発表される。伊藤に先を越されたことで、田邊の名を冠した学名は幻となり、田邊教授は失意の底に沈む。

そんな学会での名付けや新種発表をめぐって学者同士が激しく競い合う状況に、学生の藤丸(前原瑞樹)は気を病んでしまう。万太郎は、藤丸の発した「そこまでして新種発表とか名付けとか・・・競わなきゃいけないんですか?」「誰が発表したって花は花じゃないですか!」という言葉が胸に刺さる。

学者同士が激しく競い合う状況に耐えられないと話す藤丸(前原瑞樹)と、波多野(前原滉)、万太郎(神木隆之介)、徳永(田中哲司)、大窪(今野浩喜)(C)NHK

万太郎が帰宅すると、つわりで食欲のない妻・寿恵子(浜辺美波)が寝込んでいた。万太郎が寿恵子が何か口にできるものはないかと悩んでると、そこへ友人の藤丸(前原瑞樹)が長屋を訪れる。寿恵子の容態を聞いた藤丸が「揚げ芋」を作ると、ようやく寿恵子は食べ物を口にできるようになる。

ひと段落つくと、藤丸は植物学教室のいざこざに疲れたため大学を辞めようとしていることを万太郎に告げる。しかし、長屋の住人・ゆう(山谷花純)に一喝されると、藤丸は感情をあらわにし、万太郎に助けを求めるのだった。

藤丸の本心を知った万太郎は、大学を辞めるのではなく、一度休んで自分に合ったやり方を落ち着いて探してみてはどうか。と提案する。万太郎の言葉が心に響いた藤丸は、大学を休学することを決意。そして、万太郎の植物採取や図譜の刊行の手伝いを始める。

藤丸の手伝いもあり、万太郎は妊娠中の寿恵子の体調を案じながらも『日本植物志図譜 第二集』を完成させる。そして万太郎は、身重の寿恵子に留守を頼み、さらなる研究のために藤丸とともに植物採取の旅へ出かけることとなる。

藤丸(右、前原瑞樹)と植物採取の旅に出た万太郎(左、神木隆之介)(C)NHK

万太郎の功績は植物学の世界に大きな影響を与え、万太郎の恩師でもある博物館の野田(田辺誠一)と里中(いとうせいこう)もその成長に感動し涙ぐむ。しかし、その一方で、田邊教授は万太郎の実績に対して焦りと苛立ちを隠せないでいた。

そこで田邊教授は、画工の野宮(亀田佳明)に万太郎と同等の技量を求め、万太郎のような植物画を描くように圧力をかけらる。思い悩む野宮は、学生・波多野(前原滉)に顕微鏡での観察法を教えてほしいと相談する。そして、互いの思いに共感した2人は同志として手を組むことになり・・・。

本作は、「日本の植物学の父」と謳われる牧野富太郎(まきのとみたろう)の人生をモデルに、愛する植物のために一途に情熱的に突き進む植物学者とその妻の波乱万丈な生涯の物語。放送は、NHK総合で朝8時から、またBSプレミアム・BS4Kでは朝7時半からスタート。土曜日はその週の振りかえり。

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