「魔の巣」ドーンと登場 氷見市潮風ギャラリー、喪黒福造との撮影スポット登場

「BAR魔の巣」で記念撮影する来館者=氷見市潮風ギャラリー

  ●「笑ゥせぇるすまん」のバー

 氷見市潮風ギャラリーに21日、新コーナー「BAR(バー)魔(ま)の巣(す)」が登場した。市出身の漫画家藤子不二雄Ⓐさん(元富山新聞記者)の人気作「笑ゥせぇるすまん」に登場するバーカウンターをイメージしたフォトスポットとなる。主人公の喪黒(もぐろ)福造(ふくぞう)と一緒に撮影を楽しんでもらい、来館者を藤子Ⓐさんのブラックユーモアの世界に誘う。

 魔の巣は裏路地にあるバーで、喪黒の「お客さま」が秘めた欲望や心の闇を打ち明ける場所として、作中に度々登場する。

 新コーナーは2階に設置され、右手にブランデーグラスを持った喪黒が、カウンターを背に椅子に座り、来訪者を待っている造り。魔の巣の看板が立てられ、背景にはレンガの壁や酒棚が描かれており、作中のバーの雰囲気が漂う。来館者は喪黒の隣の椅子に座り、作品の登場人物になりきって撮影できる趣向だ。

  ●市長「ココロのスキマ埋めて」

 お披露目式では林正之市長が「夏休みにお子さんたちにぜひ訪れてほしい。魔の巣で不思議なひとときを過ごしながら、ココロのスキマを埋めてほしい」とあいさつ。後藤尚彦富山新聞社副代表が祝辞を述べた。

 藤子Ⓐさんのめいで、藤子スタジオの松野いづみ社長は「カウンターでちょっと涼んでもらえればと思います。でも、喪黒の隣です。涼むどころか、背筋の凍るような思いをするかもしれませんのでご用心ください」とメッセージを寄せた。

 同日は家族連れらが早速訪れ、「ドーン」と喪黒の決めポーズをして記念写真に納まった。アニメファンという、米国からの交換留学生ジリアン・リチャーズさん(16)は「面白くて、とってもクール」と声を弾ませた。

 潮風ギャラリーは氷見市中央町にあり、藤子Ⓐキャラのモニュメントが点在する中心市街地の「まんがロード」の拠点施設となっている。昨年4月に亡くなった藤子Ⓐさんの複製原画や年表、コミック本などを展示している。

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