赤ちゃんザル誕生相次ぐ 宮崎・幸島で出産シーズン

母ザルに抱えられ母乳を飲む赤ちゃんザル=13日、宮崎県串間市の幸島

 イモを海水で洗って食べる「文化ザル」が生息するとして有名になった宮崎県串間市沖の幸島で、野生のニホンザルが出産シーズンを迎えている。赤ちゃんザルが母ザルにしがみついて母乳を飲む様子や、群れの仲間同士で毛繕いしたり、じゃれ合ったりする姿が間近で観察できる。

 京都大野生動物研究センターの技術職員鈴村崇文さん(48)によると、幸島には現在約90匹のニホンザルが生息。毎年6~8月ごろが出産時期で、今年は20日までに5匹の誕生を確認した。

 鈴村さんは2003年から研究に携わり、週3回ほど幸島に渡って観察を続けている。「出産シーズンは1年の中でも特に楽しい時期。野生なので生き残るのが厳しいこともあるが、赤ちゃんザルの成長を見守りたい」と話した。

 幸島は串間市の石波海岸の沖合約200メートルに位置する広さ約32ヘクタールの無人島。ニホンザルの生息地として国の天然記念物に指定され、他地域に先駆けて本格的な研究が始まったことから、日本の「霊長類学発祥の地」としても知られる。

母ザルにしがみつく赤ちゃんザル=13日、宮崎県串間市の幸島

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