茨城県内コロナ「増加傾向強く」 県医師会長 5類後初10人超

会見で新型コロナ患者の増加傾向に言及した鈴木邦彦県医師会長=水戸市内

茨城県内で1週間(10~16日)に報告された新型コロナウイルス感染者数が1定点当たり10.33人となり、5類移行後初めて10人を超えた。入院患者数も増えており、県医師会の鈴木邦彦会長は21日の定例記者会見で「増加の傾向が強まっている」と指摘し、感染対策を呼びかけた。

県に報告された県内1定点当たりの感染者数は、5類に移行した5月8~14日の週以降、1週ごとの増加幅は0.38~1.75人(マイナス除く)で推移してきたが、今回は前週(3~9日)より2.43人増加した。5類移行の週に比べると、7.62人増えている。

保健所別では潮来が15.85人で最も多く、竜ケ崎15.81人、日立13.00人、土浦10.73人と続く。最も少ないのは中央の2.60人となっている。

県内の入院患者も増えている。19日時点の入院患者数は前週から21人増加して49人となり、重症患者も3人から6人に増えた。

鈴木会長は「増加傾向が強まっている」と指摘する一方、第9波かどうかは「入り口に相当するのか、もう少し注視していきたい」と述べるにとどめた。

こうした見方の理由として、過去の感染拡大時には県内より先に急増していた東京都でその傾向が見られない点などを挙げた。東京は1定点当たり8.25人で茨城県を下回っている。

鈴木会長は感染拡大を防ぐため「暑い中でも換気、手洗いや手指消毒など、基本的な対策を確認してほしい」と訴え、医療機関や高齢者施設に訪れる際のマスク着用を呼びかけた。

県感染症対策課によると、コロナ患者の対応医療機関は1313カ所。現在の即応病床数は100床で、感染状況に応じて段階的に病床を確保することにしている。

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