退屈な夏休み、無垢な子供たちの“遊び”が狂気に変わる 世界が絶賛した北欧サイキック・スリラー『イノセンツ』

『イノセンツ』©Mer Film© 2021 MER FILM, ZENTROPA SWEDEN, SNOWGLOBE, BUFO, LOGICAL PICTURES

北欧の新たなる鬼才エスキル・フォクト最新作にして、世界の映画賞を総なめにしたサイキック・スリラー『イノセンツ』が、7月28日(金)より公開される。このたび、夏休みの戯れが“危険な遊び”に変わる、ベンが暴走しはじめる本編映像が解禁となった。

衝撃の夏休みが始まる

本作は、2021年「第74回カンヌ国際映画祭」ある視点部門正式出品、2022年ノルウェーのアカデミー賞「アマンダ賞」で監督・撮影・音響・編集の4部門受賞、世界の映画祭で16映画賞を受賞し、米批評家サイト「RottenTomatoes」では満足度96%を獲得。ジャンル映画ながらそのクオリティの高さを、世界が認め絶賛した北欧サイキック・スリラーだ。

舞台は、ノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友達になった4人の子供たちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい力を試す中で、無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こりはじめるのだった。

近年、『ミッドサマー』『ハッチングー孵化ー』『LAMB/ラム』など北欧スリラーは映画界の最先端に君臨し、映画ファンの心を掴んで離さないが、本作もまたその唯一無二の美しくも不気味な世界の虜になる観客続出必至である。

監督を務めたのは、『わたしは最悪。』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト。ヨアキム・トリアー監督の右腕として、『母の残像』『テルマ』『わたしは最悪。』の共同脚本を共に手がけてきた。本作は、フォクト監督の長編二作目で、日本劇場初公開の監督作品となる。団地を舞台に子どもがサイキック・バトルを繰り広げると言えば、大友克洋の「童夢」を想起する人も多いはずだが、まさにフォクト監督は「童夢」からインスピレーションを受けて本作を創り上げた。

4人の少年少女、イーダ、姉アン、ベン、アイシャ。夏休み中の彼らは大人たちの目が届かない団地の階段や近くの森の中で、サイキック・パワーのテストを繰り返し、その強度を高めて遊んでいた。そんな戯れの中、イーダはベンにふとした冗談を言ったつもりが、常日頃から年上の子供たちに蔑まれ、家庭環境にも問題を抱えていたベンは憤慨、なんと怨念のこもったサイコキネシスを3人に向けたのだった—。それに立ち向かう、アン。ベンとアンの力は、地面を動かし、水たまりを震わせる。「やめて」と怯えるアイシャ。二人の力は極限で混じり合い、とうとう大木を真っ二つに折ってしまう。こうして、無邪気に戯れ合って友情を育んだ4人の夏休みは、もろくも暗転し、団地内で異常な出来事が続発するのだった……。

北欧の鬼才エスキル・フォクトが超能力というモチーフをまったく新しい視点で捉え、かつて誰も見たことのない“無垢なる恐怖”を紡ぎ上げた映像世界をぜひ劇場で確認してほしい。

『イノセンツ』は7月28日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開

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