「完成まで6割」 注目の新しい広島駅ビルを潜入取材 「2階に路面電車」は全国初 

中根夕希 キャスター
「広島駅南口に来ています。新しい広島駅ビルは現在も建設工事が進められていて、奥の高いビル、ホテルは外観がほとんど出来上がっています。その手前のビルは骨組みが出来上がりつつあるといった状況でしょうか。特別に許可を得まして、この建設中のビルの中に入って、取材させていただきます」

JR西日本 広島駅ビル工事所 澤村則好 さん
― 広島駅ビル、だいぶ形が見えてきましたけど、工事の進行状況としては今、どれぐらいなんでしょうか?
「だいたい、完成まで6割ぐらいとなっております」

― 6割。じゃあ、もう半分以上進んだんですね。
「そうですね」

建設中の新しい広島駅ビルの内部にRCCのカメラが入りました。工事用のエレベーターでまずは20階建てのビルの18階に移動します。

新しい駅ビルの7階から20階までは「ジェイアール西日本ホテル開発」によるホテルが入ります。客室はおよそ400室あり、部屋からのながめのよさが特徴だといいます。

澤村さん
「こういった大開口のサッシを設置しておりまして、広島市を一望できますし、奥に瀬戸内海も見えますし、宮島が見えます」

2階から6階にはショッピングセンターが入ります。さらにシネマコンプレックスもできる予定です。

そして、7階のフロアへ。7階には屋上広場が整備されます。雁木状の大階段やステージが設けられ、屋外イベントや憩いの場として利用できるといいます。

全貌が見えてきた新しい駅ビル。広島駅の利用者は…

駅の利用者たち
― 広島駅、今、工事中でいろいろ変わっていますけど、どうご覧になっていますか?
「いや、楽しみですよ。よく通るんですけど。日々、できてくるから」

「広電が上の階に上がるって聞いて、全然、想像できないっていうか。どんな感じに変わるのかなって、すごく楽しみです」

最も注目されているのが、全国で初めて路面電車がビルの2階部分に直接、乗り入れること。その2階のフロアも取材しました。

広島電鉄の路面電車が、JR広島駅とここでつながります。広島の川の水面や雁木をイメージした内装が施され、大きなガラス面から太陽の光が降り注ぐ空間になるといいます。

広島電鉄の路面電車とJRの乗り換えがしやすくなるだけでなく、路面電車が走るルートも変わります。

中根夕希 キャスター
「稲荷町交差点から、ここ駅前大橋を経由して、あちらにありますグレーの橋脚の上にできる高架を通って、駅ビルの2階部分に路面電車は入っていくことになります」

広島市 交通施設整備部 有木健一郎 課長
「広島駅から特に紙屋町・八丁堀に向かう路線につきましては、ちょっと回り道をしていましたけども、このたびの駅前大橋ルートができることによって時間短縮・速達性という面ではメリットがあるものと考えております」

広島市は、新しい駅ビルの建設に合わせ、南口広場を再整備。駅ビルと周辺のビルをペデストリアンデッキでつなぎ、回遊性をアップさせるといいます。さらに…

有木課長
「路面電車が2階レベルに上がることによって、地上レベルのバスエリアやタクシーエリアの再配置を今、考えております。公共交通機関の相互の利便性も向上していくものと考えております」

新しい広島駅ビルは2025年春に完成、開業する予定です。

新しい広島駅ビルの建設には、2つポイントがあります。以前の駅ビルが完成したのが1965年12月。新しい駅ビルの完成予定が2025年春なので、およそ60年ぶりの建て替えとなる一大プロジェクトなんです。そして新しい駅ビルが完成すれば、広島駅はJR西日本の管内で大阪駅、京都駅に次いで3番目の規模となります。

広島駅の周辺では、ほかにも開発の動きがあります。

JR広島駅北口にある二葉の里地区です。

こちらのエリアでは、住友不動産が33階建ての複合ビル、大和ハウス工業は10階建てのオフィスビルを計画しています。

複合ビルには分譲マンションやホテル・温浴施設などが入り、2027年の完成が予定されています。

旧JR西日本広島支社の跡地です。

一部がフットサルコートとして暫定的に利用されていますが、ここを含むおよそ1万8000平方メートルの敷地の活用方針について検討が進められています。

そして、こちらのエリアでは、急性期や小児医療の機能を集約した、1000床程度の新しい病院の構想があります。広島県は2030年ごろの開院を目指しています。

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