【カウボーイの頼もしい相棒】「クォーターホース」ってどんな馬?

「クォーターホース」について聞いたことはありますか?

「クォーターは4分の1のことだから、サラブレッドの血が4分の1入った馬…?」
ちょっと惜しいです!

この記事では、クォーターホースの特徴や名前の由来、どんな場面で活躍している馬なのかをご説明します。

クォーターホースの外見や性格は?

クォーターホースはアメリカ原産の馬の品種の一つで、正式にはアメリカンクォーターホース(American Quarter Horse)といいます。

体型

体高145~163cm、体重431~544kg、これだけ見るとサラブレッドより少し体高が低いくらいですが、サラブレッドよりもがっしりと筋肉質で、胸幅が広く胸が深い体型が一般的です。
用途によって適した体型は異なり、牛追いなどの仕事をするのは体高が低めでがっしりした馬、競馬や馬場馬術には体高が高く細身の馬が好まれます。

毛色

鹿毛、青鹿毛、青毛、芦毛、バックスキン(河原毛)、パロミノ(月毛)、粕毛、薄墨毛など様々ですが、最も多いのは栗毛です。
馬の毛色については、こちらの記事(webサイト「馬を知ろう!〜馬の種類や生態に関するエトセトラ」馬の特徴 毛色の種類 https://tanintl.com/feature_coatcolor.html)を参考にしてください。

性格

穏やかで賢く、従順で調教しやすいため、初心者を含む全てのライダーが乗るのに適しています。

また勇敢で、人間と一緒に喜んで働くため、牧場での作業や牛追いなどの仕事をする馬として活躍しています。

クォーターホースの歴史と名前の由来

16世紀

アメリカがイギリスの植民地だった頃、サラブレッドがイギリスから持ち込まれ、それ以前にスペイン人が持ち込んでアメリカに定着していたスペイン原産の馬と交配されました。
誕生したのは、少し小柄でとても早く走る馬たち。
ここからクォーターホースの歴史が始まります。

17世紀

改良が重ねられ、さらに速く走れるようになった馬たち。
17世紀後半にアメリカ東海岸で行われていたクォーターマイル(1/4マイル、約400m)の競馬でダントツの強さを見せたことから、「クォーターホース」と呼ばれるようになりました。

19世紀

西部開拓者たちがクォーターホースの牛追いの能力を向上させるため、マスタング(スペインから持ち込まれたスペイン原産の馬が野生化したもの)などを交配します。
すると‘cow sense’(牛を扱う能力)が高い、敏捷な馬へと改良が進みました。

1940年

アメリカの牧場で働く馬として、またロデオや競馬に出場する馬としての人気が定着したため、テキサス州アマリロにアメリカンクォーターホース協会(American Quarter Horse Association、AQHA)が設立されました。
アメリカンクォーターホースの保存、血統登録などを行う国際組織です。

短距離走ならサラブレットにも負けない速さ

クォーターホースの短距離走のトップスピードは時速55マイル、なんと時速88.5kmです。

一方、サラブレッドの競馬最高記録は1,000mの短距離レースでの時速75km。
平均的な時速は短距離レースで時速70km、長距離レースで時速54kmとされています。

また、まっすぐに走る速さだけでなく、敏捷性に優れているため、急発進・急旋回・急停止がとても得意。
牛というとのんびり草を食べているイメージがあるかもしれませんが、クォーターホースが相手にする牛は広い場所でワイルドに飼われている場合が多く、特に子牛はとてもすばしこく逃げ回ります。
牧場では、そんな子牛を1頭だけ群れから引き離す作業「カッティング」が求められ、ウェスタン馬術の競技にもなっています。
この競技では、子牛を群れから引き離した後は手綱での指示はできず、馬が自ら考えて、群れに戻ろうとする子牛を素早く阻止しないといけません。
クォーターホースが培ってきた‘cow sense’(牛を扱う能力)の見せ所です。

牛追いだけじゃない!いろいろな場面で活躍するクォーターホース

使役馬

牛追いや農場での作業はもちろんですが、馬車を引いたり、騎馬警察の乗る馬としても活躍しています。
日本の競馬場には、誘導馬として働いているクォーターホースもいます。

乗用馬

ウェスタンスタイルの様々な競技だけでなく、ブリティッシュスタイルの障害飛越や馬場馬術、エンデュランスの競技馬になる馬もいます。
また、競技には出なくても、落ち着いた性格を生かして初心者のレッスンで活躍したり、ファミリーホースとして家族みんなに愛されることもあります。

競走馬

アメリカでは、現在もクォーターホースのレースが開催されています。

まとめ

今回はアメリカ原産のクォーターホースについてご説明しました。

「クォーター」は1/4マイルの短距離競馬でダントツの強さを誇ることからついた名称で、サラブレッドの血が入っています。

なお、クォーターホースとして血統登録できるのは、両親ともクォーターホースか、どちらかがサラブレッドで能力や外貌の検査をクリアした馬に限られます。

日本でもウェスタンスタイルの乗馬クラブにいることが多いクォーターホース。
穏やかで賢く、身体能力に優れていて器用になんでもこなすクォーターホースに会いに行ってみませんか?

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