海外初ゴルフは最後に落とし穴 安森一貴の全英の思い出と記念写真

海外で初めての試合となった安森一貴は1打及ばず予選落ち(撮影/村上航)

◇メジャー最終戦◇全英オープン 2日目(21日)◇ロイヤルリバプール(イングランド)◇7383yd(パー71)

午後9時前の鉛色の雲からは雨が落ちてきた。先にホールアウトした星野陸也、松山英樹に続く日本勢3人目の予選通過をかけた最終18番(パー5)。安森一貴のフェアウェイから刻んだ2打目は狙いよりもわずかに左に飛び出した。

ほんの少しのミスがメジャーでは大きなスコアにつながる。ボールはラフの中のディボットにあった。「(クラブが)強く入って、奥に行ってしまった」3打目はグリーンエッジへ。パーで週末への扉が開く場面。パターでの寄せはピンを6mオーバーし、返しも決まらず最後の最後でボギーをたたき、カットラインの下に転げ落ちた。

最終18番でボギーを喫した(撮影/村上航)

5月の「ミズノオープン」で3位に入って出場資格を得た全英の舞台。今回、人生で初めて海外でゴルフをした。「メジャーはこんなに厳しい、苦しいのかと感じました」。緊張感ある位置でプレーし続けただけに悔しい。結果的には最終ホールでのミスが響いたが、「それまでのチャンスでバーディを獲れなかったのが反省点。最後にパターで痛い思いをしたけれど、初日からパターに助けられた部分もあった」と分析はつとめて冷静だった。

戦い終えたのは午後9時ごろ(撮影/村上航)

初体験の英国の食事は、“一般的な”悪しきイメージに反して「それほどマズくなかったです。思ったよりもおいしかったなと思いました。クラブハウスでも街のレストランでも」と好印象だった。大会3日前にコース内で会ったロリー・マキロイ(北アイルランド)に声を掛けて一緒に収まった写真は宝物になる。「優勝した(ジェネシス スコットランドオープン)次の日に声を掛けたんです。真摯(しんし)に答えてくださった」

日本に戻ってまたチャンスをつかみたい(撮影/村上航)

帰国して賞金ランキング41位にいる国内ツアーのシーズンを再開させる。「まず日本ツアーで(初めて)シードを獲ることが目標。活躍してチャンスがあれば、またこういう試合に挑戦したい」と将来へ目を輝かせた。(イングランド・ホイレイク/桂川洋一)

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