第105回全国高校野球長崎大会 22日準決勝

 第105回全国高校野球選手権記念長崎大会は22日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで準決勝が行われる。勝ち残ってきたのは大崎、創成館、海星、長崎日大のシード4校。コロナ禍で中止の2020年県独自大会を除き、大崎は3大会、創成館は2大会、海星は5大会連続、長崎日大は3大会ぶりに4強入りした。例年以上に混戦のトーナメントで、準々決勝までの4校のチーム打率はいずれも3割未満と“投高打低”が顕著な今大会。次もテンポのいいハイレベルな一戦が期待できそうだ。甲子園まで、あと2勝。王手をかけるのはどのチームか。実力伯仲の2試合を展望する。

◎第1試合(10時)創成館×大崎 ハイレベルな名勝負に

 一昨年は3回戦で大崎が九回逆転勝ちの名勝負を繰り広げた両チーム。当時の1年生が最上級生となった今季は春の県大会決勝で対戦し、再び大崎が3-2で競り勝っている。攻撃は4強トップのチーム打率を記録する大崎がやや優位か。創成館は唯一ここまで無失点の守備力で対抗したい。
 大崎は本塁打を放っている中村、川原、宮原を軸に一振りで流れを持ってくる力強さと、3試合計11犠打の堅実さを兼ね備え、準々決勝は清峰を4-3で退けた。投手陣は野口惺がチーム最多14回を投げて無失点。2試合で先発した大橋のほか、エースナンバーで中堅兼任の山口莉がいまだ1回の登板にとどまり、その起用法が注目される。
 創成館は準々決勝で長崎北に延長十回タイブレーク1-0で辛勝。福盛と永本の両右腕を中心に3試合計28回を完封リレーしてきた。次も守備で「0」を並べ続け、少ない好機を物にできるかがポイント。打っても主砲の永本、1年時から出場しているリードオフマン川﨑らが引っ張り、バントやエンドランを絡めて着実に点を奪いたい。

◎第2試合(13時5分)長崎日大×海星 選抜出場校同士の対戦

 春の選抜大会で県勢初のダブル出場を果たした両校の対決。今季は昨秋の県大会決勝や練習試合を含めて長崎日大に分がある。ここまでのチーム打率はともに2割5分未満。投手陣が海星は3試合で3四死球、長崎日大は2四球と安定しているだけに、打線の奮起がチーム浮沈のカギを握る。
 海星は昨季より長打力に劣るものの、機動力が高い。1番山口は3試合連続で複数安打を記録。抜群の脚力を誇る田中らとともに塁上で重圧をかけたい。昨夏の甲子園を経験した田川一、平尾、峯らの活躍も不可欠。吉田翔と髙野の左右二枚看板は九州文化学園を1-0で下した準々決勝で好継投した。次もそのタイミングが重要になる。
 長崎日大は準々決勝で2年生の西尾が長崎商を2安打に抑え、2-0で完封。最速144キロを記録して1人で投げ抜き、緩急自在な背番号1の廣田らを温存できた。打線は3試合で14得点と派手さはないが、各打者のスイングは鋭い。切り込み隊長で主将の平尾、捕手としても存在感を発揮する豊田らの勝負強さが一つのポイントになる。

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