イルカ被害の水晶浜海水浴場、新対策徹底で海水浴客受け入れ継続 福井県、水上バイクでパトロールも

注意喚起のチラシを配る駐車場のスタッフ(左)=7月21日、福井県美浜町

 海水浴客の受け入れ継続を決めた福井県美浜町の水晶浜海水浴場で7月21日、イルカ被害防止に向けた新たな対策が始まった。水上バイクで定期的にパトロールしたり、チラシ配布を強化したりするなどした。地元竹波区の山本文昭区長は「注意やルールを守って泳いでほしい」と呼びかけている。

 イルカによる被害で区は21日から閉鎖の方針を固め、浜茶屋管理組合や町と協議していた。しかし、閉鎖しても客が来てイルカの被害に遭う恐れがあるほか、遊泳区域を定めるロープがなくなり水上バイクが入ると危険なため、20日夜の臨時総会で対策を強化した上で客の受け入れ継続を決めた。

 対策強化初日となった21日は、遊泳時間を午前8時から午後5時までにしたことを放送で客に周知。イルカへの注意喚起を呼びかけるチラシは区管理以外の駐車場でも配布した。イルカが出た際は監視塔からサイレンを鳴らしたり、浜茶屋のスタッフも笛を吹いて知らせたりすることも決めたほか、イルカが嫌がる超音波発信器も8台に倍増させるという。

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 この日は梅雨明けし晴天に恵まれ、県内の多くの小中学校で夏休みが始まったこともあり、親子連れが目立った。岐阜県大垣市から妻、小学3年生の娘と3人で訪れた30代男性は「指示に従い、子どもにも注意をしながら海に入りたい」と話していた。浜茶屋の関係者は「コロナ禍も落ち着いてきて来たい人はたくさんいると思うので、安全に楽しめるよう対策をしていきたい」と気を引き締めていた。

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 区によると、安全が確保できない状態となれば閉鎖も検討する。山本区長は「被害が出ないよう安全性を高めて運営していく」と話していた。

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